単純平均8,337円・3.10%/国民春闘共闘委員会の第3回賃上げ集計

2025年4月11日 調査部

全労連や中立組合などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事:秋山正臣全労連議長)は1日、2025春闘の第3回目の賃上げ集計を公表した。3月27日までに660組合が回答を引き出し、有額回答のあった415組合の単純平均は前回(第2回)集計より310円、第1回集計と比べると838円高い8,337円。率も前回を0.16ポイント、第1回を0.31ポイント上回る3.10%となった。

加重平均は7.356円・2.60%に

第3回集計結果によると、3月27日までに660組合が何らかの回答を引き出した。そのうち、金額もしくは率などが明らかになっている有額回答を得た組合は415組合(62.9%)で、「定昇確保」などの言葉による回答を得た組合が245組合(37.1%)となっている。

有額回答を引き出した415組合の単純平均(一組合あたりの平均)は、額が前年同期比443円増の8,337円、率も同比0.23ポイント増の3.10%だった。加重平均(組合員一人あたりの平均、組合員数5万102人)では、額は同比282円減の7,356円だが、率は同比0.02ポイント増で2.60%となった。

149組合が1万円以上の5桁回答を引き出す

前年実績と比較可能な352組合についてみると、単純平均額は8,469円(前年実績8,635円)で前年より166円低い。率で対比が可能な236組合の賃上げ率は、単純平均で前年と同じ3.19%だった。なお、前年実績以上の回答を引き出した組合は、額で177組合(50.3%)、率では126組合(53.4%)とほぼ半数になっている。

国民春闘共闘委員会は、「福祉保育労の組合で 3万7,000 円(ベア相当分3万2,000 円)など、9組合が2万円以上の回答を引き出しており、あわせて149組合が1万円以上の 5桁回答となった(前回調査 113 組合、前年同期 107 組合)」ことを紹介している。

その一方で、医療関係では厳しい回答状況が続いている。日本医労連が4月9日に公表した「賃金回答の傾向」によると、「現時点(4日時点)の回答数181のうち、ベースアップ回答は34に留まる。賃上げゼロ回答が135で、4分の3が賃上げなし」。夏季一時金についても、「まだ回答数は56と少ないが、すでに7つの引き下げ回答があり、平均額で昨年実績を6万円余り下回っている」という。

非正規の賃上げは時給45.8円増、企業内最賃は1.145円に

非正規労働者の賃上げ状況については、12単産149組合から338件の報告が寄せられている。そのうち、時給制では210件の報告があり、引き上げ額がわかっている174件の単純平均額は45.8円。月給制は59件の報告があり、引き上げ額は53件の単純平均額5,402円だった。

また、企業内最賃協定の改定状況では、JMITU、化学一般労連、生協労連、全印総連、民放労連、出版労連、日本医労連の60組合から報告があった。新協定額の水準は、時間額(39件)では単純平均で1,145円、日額(12件)は9,774円、月額(20件)は18万6,735円となっている。

全国統一行動日を中心に110組合がストライキを実施/第1回進ちょく状況調査

なお、国民春闘共闘委員会では、3月25日に公表した第 2 回賃上げ集計に合わせて、要求提出状況やストライキ権の確立・実施状況などの進ちょく状況調査(第1回)も実施している。それによると、2,205組合(調査中の建設関連労連、自交総連を除く)の47.9%にあたる1,056組合がストライキ権を確立し、3月13日の全国統一行動日を中心に110組合で延べ130回のストライキが行われた。「日本医労連の全国組合を行動単位で算出すると236組合で延べ274回のストライキとなっている」という。