妥結組合の50.2%が賃金改善を獲得/連合の2022春季生活闘争第2回回答集計

2022年3月30日 調査部

連合(芳野友子会長)は25日、2022春季生活闘争の第2回回答集計結果を発表した。平均賃金方式で回答を引き出した1,237組合の定期昇給相当分込みの賃上げ額の加重平均は6,452円。賃上げ率にすると2.13%で、第1回回答集計結果での賃上げ率(2.14%)をほぼ維持した。賃金改善を要求し、すでに妥結した組合のうち50.2%が、改善分を獲得している。

定昇込み賃上げ額は6,452円で昨年を900円以上上回る

集計は24日午前10時時点。集計対象の7,367組合のうち、要求提出を終えたのは64.1%にあたる4,720組合。そのうち、月例賃金の改善について要求しているのは3,851組合となっている。

月例賃金の改善について、すでに妥結したのは1,025組合で、そのうち、賃金改善分を獲得したのは515組合。月例賃金の改善について妥結した組合のほぼ5割(50.2%)にあたる。

1,237組合(182万103人)について集計した平均賃金方式での回答集計結果をみると、定昇相当分込みの賃上げ額の加重平均は6,452円で、率にすると2.13%。18日午前10時時点の第1回集計結果から、額では129円減少し、率では0.01ポイント減少したものの、昨年同時期(2021年3月26日公表)の集計結果と比べると、額で937円、率で0.32ポイント上回っている。

組合規模別にみると、「300人未満」は5,028円で1.96%(昨年同時期比291円増、0.10ポイント増)。「300人以上」が6,515円で2.13%(同966円増、0.32ポイント増)となっている。

賃金改善など「賃上げ分」は1,615円

ベアや賃金改善分など「賃上げ分」が明確に分かる組合(711組合、137万1,078人)での「賃上げ分」の加重平均は1,615円(0.50%)。昨年同時期と比べると、額で40円、率では0.06ポイントのマイナスとなっている。ただ、集計組合数は昨年同時期が546組合だったため、今年のほうが150組合以上多い。連合の仁平章・総合労働局長は、「昨年、賃上げ分を獲得できなかったり、要求しなかった組合が今年は獲得したものの、その水準が1,000円に満たないケースもみられる」と、その要因を推察している。

中小の「賃上げ分」が大手を額・率ともに上回る

「賃上げ分」を組合規模別にみると、「99人以下」が1,638円(0.67%)で昨年同時期比216円増(0.01ポイント増)、「100~299人」が1,623円(0.62%)で同472円増(0.19ポイント増)、「300~999人」は1,840円(0.66%)で同683円増(0.22ポイント増)、「1,000人以上」は1,595円(0.49%)で同152円減(0.09ポイント減)となっており、999人以下の各規模では昨年同時期を上回る額・率となっている。

「300人未満」の区分でみると1,626円(0.62%)で同418円増(0.15ポイント増)、「300人以上」でまとめると1,615円(0.50%)で同63円減(0.06ポイント減)となり、「300人未満」のほうが額、率ともに高い水準となっている。

賃上げ率2.13%は2019年と同じ水準

25日に行われた会見で芳野会長は「賃金改善分を獲得した組合が、妥結組合の半数を超えているのは特筆すべきことだ」と評価した。

第2回回答集計結果での定昇相当分込みの賃上げ率について、2013年以降の推移でみると、今年の2.13%は2019年と同じ水準で、コロナ前の水準に戻した形。一方、300人未満の中小の賃上げ率1.96%は、昨年(1.86%)は上回ったものの、2020年(2.03%)の水準に届いていない。仁平総合局長は中小の妥結状況の評価について、交通・運輸などコロナ前の業況に戻っていない業種もあることから、「業種ごとに分けて、丁寧に状況をみていく必要がある」と話した。