働き方改革で教職員の長時間労働の是正を/日教組臨時大会

2022年3月25日 調査部

日教組(21万2,000人)は23日、都内で臨時大会をWeb併用で開催し、当面の取り組みについて確認した。取り組み方針には、教職員の長時間労働是正に向けた対応などの労働政策を掲げている。役員改選では、連合事務局長に就任した清水秀行委員長の後任に、瀧本司書記長を選出。新書記長には、山木正博書記次長を選んだ。

給特法の廃止・抜本的な見直しに向けた取り組みを

臨時大会では、① 教育政策 ② 教育行財政政策 ③ 労働政策 ④ 福祉・社会保障政策⑤男女平等政策 ⑥ 組織政策――からなる当面の取り組み方針を決定した。

そのうち、労働政策に関しては、教職員の長時間労働是正に向けて、「精確な勤務時間の把握と大胆な業務削減を求める」ことや、「給特法の廃止・抜本的な見直しにむけた、調査研究にとりくむ」こと、休日のまとめ取りのための1年単位の変形労働時間制について、「前提条件が満たされない状況で拙速な導入・活用をしないよう求める」ことなどを明記。設置者・管理職に対し、「労働安全衛生法・労働安全衛生規則にもとづき、勤務時間管理、産業医の配置、産業保健機能の強化、労働安全衛生委員会の設置・機能強化、ストレスチェックの実施と分析による適切な措置、公務災害の認定基準改正の周知などを求める」ことも盛り込んだ。

冒頭、あいさつした清水委員長は、「常態化・深刻化した長時間労働の是正は、ゆたかな学びにも直結した課題だ」と指摘したうえで、「教職員が心身ともにゆとりをもって教育に専念できるような職場環境づくりが急務だ」と強調。「4月以降、文科省は『給特法の改正』時に定めた全国的な勤務実態調査を行うことになっている。引き続き、勤務時間管理の徹底と上限指針の遵守、それが可能となる業務削減を求め、教職員が実感できるよう学校の働き方改革を実現し、給特法の廃止・抜本的見直しをすすめていこう」などと訴えた。

新委員長に瀧本司氏を選出

役員改選では、昨秋の連合大会で事務局長に就任した清水委員長が退任し、瀧本司書記長(北海道教組)が新委員長に就任。新書記長には、山木正博書記次長(兵庫教組)が就いた。

瀧本新委員長は臨時大会後に開いた記者会見で、長時間労働問題について「多くの世の中の人々に学校の現場実態が知られるようになり、文科省も真剣に取り組んでいる。働き方改革は労使が一体となってやっていかねばならない問題なので、文科省が取り組んでいることにも現場感覚で意見反映していきたい」などと決意を述べた。

また、臨時大会では、分会機能の強化や青年層の参画、教育を支える幅広い教職員等の組織化の推進などを掲げる、向こう5年間の「組織拡大・強化の基本方針」を確定した。