一般組合員はオンラインでのライブ視聴で参加/連合系メーデーの第92回中央大会

2021年5月12日 調査部

[労使]

連合系の第92回メーデー中央大会は、新型コロナウイルス感染者の増加傾向をかんがみ、4月29日に会場参加者を最小限にして開催された。一般組合員はオンラインでlive視聴した。スローガンは「今こそ心をひとつに!働く仲間の笑顔のために感謝と思いやりの絆をつなぎ 希望あふれる未来を切り拓こう!」。中央実行委員長として挨拶した神津里季生・連合会長は、連合が目指す「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、「私たちはもっと発言力を高めて、社会全体への影響力を行使していかねばならない」などと強調した。

当初は代々木公園での開催を予定

当初は東京・代々木公園で開催し、当日の会場参加者を1,200人程度と見込んでいたが、新型コロナウイルス感染防止を勘案して開催内容を変更。メーデー中央実行委員会メンバーだけが変更後の式典会場となった全電通会館(東京・神田駿河台)に集い、連合の構成組織の代表はZoom視聴とし、組合員や一般参加者はYouTubeでLive視聴した。

中央式典は29日午前10時30分から開始。中央実行委員長である神津里季生・連合会長は挨拶で、「働くことを軸とする安心社会。今ほど、この言葉をかみしめるべき時はないのではないか。命とくらしが危機にさらされ続けて、もう一年半近くにもなる。しかしこの間、日本の政治はどこまでこの難局に的確に対処し得てきたのか。立場の弱い方々に色濃く影響が出てしまっている」と危機感をあらわにしたうえで、「労働組合があって、労使関係という機能を持ち得ている私たちは、なんとかこの危機を克服し、そして明日を展望せんとする営みを、実感を持って積み重ねていくことができる。しかし8割を超える大多数の雇用労働者、あるいはその枠組みにもおさまらない雇用類似の働く仲間は、暗中模索を繰り返しているのが実態ではないか」と強調。

「私たちはもっと発言力を高めて、社会全体への影響力を行使していかねばならない。そして、命とくらしを守るニューノーマルの実現に向けて、力を合わせていかなければならない」と呼びかけた。神津会長はまた、市民が犠牲となっているミャンマーでの国軍によるクーデターに対して強く抗議した。

厚労大臣と都知事がビデオメッセージで挨拶

来賓あいさつでは、田村憲久・厚生労働大臣、小池百合子・東京都知事がそれぞれビデオメッセージを送った。その後、リチャード・ハルバーシュタット石巻市復興まちづくり情報交流館中央館館長が被災地からのメッセージを送り、働く仲間からの訴えと感謝のメッセージは、高橋久実子・三鷹市社会福祉協議会介護保険ケアマネージャーらが行った。

ミャンマーの民主化弾圧に抗議する訴えも盛り込み、在日ビルマ市民労働組合(FWUBC)のミンスイ会長が抗議のメッセージを読み上げた。井岡由美・常任実行委員(JP労組中執)がメーデー宣言を読み上げた。

飛沫の発生・拡散を回避・防止するため、参加者は「がんばろう三唱」の発声は行わず、代わりにメッセージを印刷したマフラータオルを掲げた。