大手企業の賃上げ回答・妥結額は前年を1,000円程度下回る/経団連の第1回集計

2020年5月27日 調査部

[労使]

経団連(中西宏明会長)は5月21日、2020年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況の第1回集計を公表した。賃上げの回答・妥結額が最も高いのは「建設」で1万3,157円。集計した86社平均の回答・妥結額は7,297円(アップ率2.17%)で、回答・妥結額は前年(8,245円)を1,000円程度下回った。

額が最も高かったのは建設

調査対象は原則として東証一部上場で、従業員が500人以上の企業。主要21業種の大手251社となっている。公表したのは回答があった企業のうち、平均金額が不明の企業などを除いた86社についての集計結果。

各業種の回答・妥結額を、金額が高い順に並べると、「建設」(7社)=1万3,157円(アップ率2.63%)、「自動車」(18社)=7,610円(同2.27%)、「繊維」(15社)=7,532円(同2.38%)、「私鉄」(2社)=6,830円(同2.09%)、「造船」(6社)=6,753円(同2.18%)、「化学」(10社)=6,199円(同1.83%)、「紙・パルプ」(5社)=5,999円(同1.98%)などとなっている。なお、このなかで建設と私鉄は従業員平均の数字。

前年比下げ幅大きい鉄鋼、自動車

各業種のアップ率を前年と比べると、回答企業数が1社の業種を除いて見れば、上昇したのは「紙・パルプ」(0.18ポイントアップ)のみ。比較的マイナス幅が大きかった業種は「鉄鋼」(0.47ポイントマイナス、1.30%)、「自動車」(0.34ポイントマイナス)となっている。

総平均で見ると、回答・妥結額は7,297円で、アップ率は2.17%。前年と比べると回答・妥結額で948円マイナス、率で0.26ポイントマイナスとなっている。製造・非製造業別に見ると、製造業が7,019円の2.15%、非製造業が8,350円の2.25%となっており、非製造業のアップ率が製造業を上回った。