連合系メーデーは初のWEB開催

2020年5月13日 調査部

[労使]

連合系の第91回メーデー中央大会は、当初は4月29日に東京・代々木公園で開催する予定としていたが、新型コロナウイルス感染防止を勘案し、初めてオンラインでメッセージ配信を行うWEB開催とした。

今年はすべての労働者にメッセージを送る場

日本では1920年5月2日に第1回メーデーが東京・上野公園で開かれ、今年はメーデー開催100周年にあたることから、スローガンは「メーデー100年 平和・人権・環境を守り 公正で持続可能な社会をめざす 働く仲間の笑顔あふれる未来をつくろう」とした。

メッセージ配信は、29日午前10時30分から行った。連合本部が入る連合会館1階に設置された「メーデー100年を振り返る」ボードの前に、中央実行委員長である神津里季生・連合会長が立ち、まずはメッセージを発した。神津会長は冒頭で、今年のメーデーを「すべての働く仲間にメッセージを送る場と位置づけたい」と強調。世界に蔓延する新型コロナウイルスとのたたかいについて「新型コロナウイルスとのたたかいは一種の戦争とも言われるが、国と国とのいがみ合いがあってはこのたたかいに打ち勝つことはできない。世界で力を合わせないといけない」と訴えた。

緊急事態で労組未加入が不利なことが露呈

国内に向けては、「見えない感染リスクとたたかっている医療関係の方々をはじめ、インフラ、公益、物流、生活必需品の供給などきわめて繁忙感の高い方々がいる。心からの敬意と感謝を申し上げるとともに、この方々を絶対に守っていかないといけない」と決意を述べたうえで、8割以上の労働者が労働組合の傘に入っていないことから「いかに働く者にとって(労働組合に加入していないことが)不利なことがこの緊急事態の中で露呈しているのではないか」と提起。憲法で労働三権が保障されている国は世界を見渡しても他に見つからないと述べ、「宝の持ち腐れにせず、つながっていこう」と呼び掛けた。

組合づくりもオンラインで可能な世界へ

また神津会長は、今回の緊急事態で「連合がかねてから主張してきたセーフティーネット、雇用のセーフティーネット、生活保障のセーフティーネットの重要性を改めて痛感する」とし、不安定雇用や低所得の働き方が大幅に増加したこの20年の間に「本来は労使が力を合わせてセーフティーネットを構築すべきだった」と反省の弁を述べながら、「リーマンショックの時の反省を生かさないまま今日まで来たが、我々が中心となって人間中心の政策をつくり、働く者、生活者本位の政策を実現しなくてはいけない」と強調。さらに、今回のWEBメーデーを契機に、「守る、つなぐ、つくりだすというこれらの営みをデジタルの世界、オンラインの通路を使って高めていく力を高めないといけない」と踏み込み、「組合づくりもオンラインで可能となるような世界に踏み込んでいかないといけない」と話した。

神津会長のメッセージあとには、実行委員の斉藤千秋氏(連合東京)がメーデー宣言を読み上げ、相原康伸・連合事務局長が画面を通してがんばろう三唱の音頭を取った。