神津会長、逢見会長代行、相原事務局長の留任を推薦へ/連合の役員人事

2019年7月5日 調査部

[労使]

連合の役員推薦委員会は3日、記者会見を開き、来期の会長、常勤会長代行、事務局長の役員体制について、それぞれ現職の神津里季生氏、逢見直人氏、相原康伸氏を推薦する方向だと発表した。神津氏が10月の定期大会で正式に選任されれば、会長3期目となる。

逢見氏と相原氏は現ポスト2期目へ

神津氏は現在63歳で、基幹労連の出身。逢見氏は65歳で、UAゼンセン出身。相原氏は59歳で、自動車総連出身。

連合の役員任期は2年間で、神津氏は2015年に会長に就任し、2017年の定期大会で再選された。逢見氏は2017年に事務局長を退任し、同時に、新たに設置された常勤の会長代行に就任した。自動車総連会長を務めていた相原氏は、2017年に事務局長に選出された。10月の定期大会で選任されれば、逢見氏と相原氏は同ポストの2期目に入ることになる。

「発信、行動、バランス、定着力の発揮が期待できる体制」(平川委員長)

記者会見には、役員推薦委員会委員長の平川純二・JEC連合会長と、副委員長の野中孝泰・電機連合委員長が出席した。

平川委員長は冒頭、役員推薦委員会としての来期の位置づけに対する認識について説明。「連合は本年11月に結成30周年の節目を迎える。来期は連合ビジョン、連合運動強化特別委員会で打ち出した運動の再構築と重点化を図るという、運動の体系・構造を大転換し、力強くスタートを切って軌道に乗せるという重要な2年間になる」と述べた。

そのうえで、考えられる運動課題として、① 連合ビジョンの理念、特別委員会報告に盛り込んだ改革の精神を内外に発信し、それを定着させながら、着手可能な課題への動き出しと、継続論議が必要な課題への丁寧な対話運営が必要であること ② 来期運動方針の骨格・素案で現在検討している雇用形態の変化に対応した新たな枠組みなどを立ち上げることや、地方連合会、労福協との協働による労働相談、生活相談機能の統合など運動の再構築と重点化を具現化し、スタートさせること ③ 新たな運動を進めるには業務の見直しによる連合本部、構成組織、地方連合会、地域協議会が保有する資源を有効に生かしていくことが不可欠であること ④ 底上げ春闘のさらなる推進、働き方改革アクション36、野党分立の状況下での政治への向き合い方、国際関係での連合の存在感の打ち出し、憲法をはじめとする国の基本政策にかかる議論に対応すること――などを列挙した。

そして役員体制について、「これらの課題を克服していくためには、発信力、行動力、バランス力、そして定着力を継続的・安定的に発揮することが求められ、これらが期待できる体制として、会長候補に神津里季生氏、常勤会長代行候補に逢見直人氏、事務局長候補に相原康伸氏を推薦したいと考える」と発表した。

非常勤会長代行も含めた上3役4名体制は維持

なお、連合の役員ポストには、これらの3役のほかに「非常勤の会長代行」があり、現在は自治労委員長の川本淳氏が就いている。自治労では8月下旬に開催する定期大会で役員改選を予定していることもあり、同ポストの推薦について平川委員長は「現時点では表明できない」としたうえで、「来期も上3役4名体制を志向し、内外のさまざまな課題に機動的に対応していくことが重要である」と話した。

選挙結果がどうなろうとも「推薦の方向性は変えない」(平川委員長)

3氏続投を推薦する主な理由について、平川委員長は質疑のなかで、「30周年を迎えての政策力の強化や、結成からの30年間、課題として残った改革の論議を進めるため、3名体制が必要だと考えた。今期まだ8合目での評価となるが、3氏それぞれが、それぞれの立場で役割を発揮してもらって、30周年を迎える準備ができたものと思っている」と説明。「とくに常勤会長代行については、連合ビジョンの策定、連合の各構成組織・地方連合会との上3役の対話の繰り返しのなかで、非常に力を発揮してもらったと評価している」と強調した。

また、連合の組織内候補として比例代表に10人を擁立する参議院選挙が及ぼす影響について平川委員長は「参議院選挙の結果がいかなるものになろうとも役員推薦委員会としてこの推薦の方向性を変えるつもりはない」と話した。