4人に1人の病院職員が年休取得年5日未満/自治労連調査

2019年5月17日 調査部

[労使]

4人に1人の職員が年次有給休暇の取得日数が年5日未満にとどまっている――。自治労連(猿橋均委員長、14万2,000人)が公表した「自治体病院に働く職員の労働実態アンケート」でこんな状況が明らかになった。職種別では、薬剤師、臨床工学技士、臨床検査技師などの専門職で取得日数年5日未満の割合が高かった。

調査は自治体病院で働く職員を対象に、2018年9月~10月末に実施。23都道府県の97病院に配布し、1万2,725人の回答を集約した。

それによると、2018年1年間の有給休暇取得状況は、「5日~9日」(33.5%)が最も多く、次いで「10日~14日」(25.0%)、「1日~4日」(19.4%)、「15~19日」(9.1%)などが続く。「20日以上」も2.2%いたものの、「取得なし」(5.3%)と「1日~4日」をあわせた「5日未満」の人は24.7%を占めており、4人に1人は年休取得が年5日未満にとどまっていた。

「5日未満」の割合を職種別にみると、「薬剤師」(39.5%)、「臨床工学技士」(35.9%)、「臨床検査技師」(29.8%)、「リハビリテーション技師」(25.8%)などが目立つ。特に、「薬剤師」は、「取得なし」が10.5%もいる。

7割近くがサービス残業をしていた

2018年9月の超過勤務実績については、「5時間未満」が27.9%で最多。以下、「10~19時間」(21.6%)、「5~9時間」(19.8%)、「20~29時間」(11.1%)、「なし」(10.0%)、「30~39時間」(4.3%)、「40~49時間」(2.1%)、「50時間以上」(1.6%)などとなっている。「なし」と「無回答」(1.6%)を除くと、全体の9割弱の人が超過勤務をしている。

さらに、9月の超過勤務でサービス残業をした人を見ると、「なし」(26.1%)と「無回答」(2.1%)を除く全体の7割近くがサービス残業をしていた。

2割弱がセクハラ、4割弱がパワハラを受けた経験あり

「セクハラを受けたことがあるか」について聞くと、「あり」は18.2%、「なし」は81.1%で、全体の2割弱がセクハラを受けていた。相手(複数回答)は、「患者」(55.8%)が最も多く、「医師」(25.1%)、「上司」(13.8%)、「同僚」(7.3%)が続く。

一方、パワハラについては、「あり」が39.4%、「なし」は58.2%となり、4割弱がパワハラを受けていた。相手(複数回答)は、「上司」(58.3%)、「医師」(28.4%)、「同僚」(13.7%)、「患者」(7.6%)、「患者の家族」(4.5%)の順となる。

「普段の仕事で心身に疲労を感じるか」については、「毎日非常に疲れる」(38.4%)、「たまに非常に疲れる」(31.4%)、「毎日多少疲れる」(19.6%)、「たまに多少疲れる」(9.3%)となっている。

また、「健康に働く上で改善すべき点」(複数回答)では、「人員の拡充」(66.2%)、「業務量の削減」(38.6%)、「有給休暇の取得促進」(37.5%)などが上位にあがる。