300人未満の賃上げ額・率が3月中旬よりも高い水準に/連合の第3回賃上げ回答集計

2019年4月10日 調査部

[労使]

連合(神津里季生会長)は5日、2019春季生活闘争の第3回回答集計結果(4月3日時点)を公表した。平均賃金方式での定昇相当込み賃上げ率は2.15%で、前年同期(2.13%)よりも高い水準を維持している。また、300人未満の組合の賃上げ額・率ともに、第2回回答集計(3月22日時点)から上昇し、率は2.07%と2%台を維持。第3回集計の数字としては、賃上げが復活した2014年以降でも最も高い水準となっている。

賃上げ額平均は定昇相当込みで6,412円

第3回回答集計結果によると、7,569ある集計組合のうち、68.5%にあたる5,183組合が要求を提出。うち、月例賃金の改善要求をしたのは3,694組合(48.8%)となっている。3,694組合のうち、妥結済みとなっているのは1,887組合(賃金改善要求組合の51.1%)で、そのうち992組合(妥結組合の52.6%)が賃金改善分を獲得している。

平均賃金方式での定昇相当込みの賃上げ額は、集計組合員数による加重平均で6,412円、率は2.15%。前年同期と比べると額で150円増、率で0.02ポイント増となっている。これを規模別にみると、300人未満が5,232円の2.07%、300人以上が6,505円の2.16%で、ともに額・率とも前年同期を上回っている。また、連合の回答集計では例年、第1回集計から回を経るごとに回答額・率とも低下していく傾向にあるが、今年は規模計、300人未満、300人以上のいずれの賃上げ率も第2回集計より高い水準となった。さらに、連合によると、300人未満の賃上げ率は、第3回集計の数字としては賃上げが復活した2014年以降で最も高い水準だという。

「元気をもらった」(神津会長)

同日会見した神津会長は第3回回答集計結果について「今後の交渉に向け、元気をもらった」と評価。賃上げ交渉は後続組合になるほど規模が小さい組合が多くなることから、例年は第3回集計結果が第2回を下回る水準となるものの、今回は第3回で結果が反転したことについて「中小が引き続き昨年以上に賃上げにがんばっている。特に賃上げの総額や引き上げ分の額からみると、2014年から始まった賃上げの流れの中で最も高い水準となっており、特筆すべきだ。この動きを今後さらにつなげていきたい」と述べた。