個別賃金で中小が約2,600円の改善額を獲得/JAMの3月末までの回答状況

2019年4月3日 調査部

[労使]

機械・金属関連の中小労組を多く抱えるJAM(安河内賢弘会長)は2日、都内にある本部で会見し、同日時点での最新の賃上げ回答結果を公表した。個別賃金で要求し、回答を得た組合の30歳銘柄での改善額の平均は2,220円。規模別にみると300人未満の改善額(2,603円)が1,000人以上の改善額(1,118円)を1,500円以上、上回っている。

個別賃金の改善額は「世間相場を大きく上回る」(安河内会長)

交渉単位の1,551単組のうち、交渉単組は1,530単組。そのうち賃金要求を提出したのは1,102単組となっている。JAMは30歳と35歳銘柄による個別賃金要求を春闘方針の前面に掲げており、絶対額での賃金水準改善を目指している。ただ、その一方で、賃金改善分6,000円という平均要求方式での要求基準も設定している。

2日現在で個別賃金要求している単組数は、平均要求も併せて行っている単組も含めて281単組となっている。賃上げについて回答を得たのは704単組。うち、個別賃金で回答を得ているのは111単組となっている。

個別賃金について、現行水準を把握して要求し、回答を得た単組についての回答状況をみると、30歳銘柄では74単組について集計できており、平均5,355円の要求額に対し、回答を受けた改善額の平均は2,220円と「(今年の賃上げの)世間相場を大きく上回る」(安河内会長)結果となっている。改善額の平均を規模別にみると、299人以下が2,603円、300~999人が1,745円、1,000人以上が1,118円となっており、規模が小さい単組ほど高い額となっているとともに、299人以下が1,000人以上を大幅に上回る状況。改善額の分布をみると、299人以下では、全体の49単組のうちの11組合が4,000円以上の改善額を獲得した。一方、35歳銘柄では、67単組について集計できており、平均5,330円の要求額に対し、回答を受けた改善額の平均は2,136円。30歳銘柄と同様に、規模が小さい単組ほど高い改善額となっている。

平均賃上げの回答状況をみると、賃金改善分が明確となっている単組の改善分の平均は1,538円(392単組)で、昨年同時期(1,657円)を下回った。

個別要求に対しての回答では物価上昇分を確保

安河内会長は現下の交渉環境について「自動車、電機、半導体で急減速しており、経済状況は決して良くないが、その一方で受注残があり、中小では繁忙が続いている」とし、「人手不足がさらに深刻さを増しており、人を獲れないことが生産のボトルネックになっている。賃金が上がっていかないと、人材を獲得できず操業も維持できない」と述べた。こうしたなかでの直近の回答状況について、「300人未満での個別賃金(30歳)の改善額が2,603円となっているように、中小が大手を上回る状況が定着した」と評価。その一方で、個別方式では賃上げ率が1%程度で物価上昇分を確保したものの、平均方式では確保できる水準となっていない点を課題としてあげた。