JR東日本、東海、西日本のベアはほぼ前年並み/JR各社の賃上げ回答

2019年3月27日 調査部

[労使]

JR各社の賃上げ交渉は、13日に西日本、14日東海、15日東日本と、本州3社でベースアップ回答が示され、妥結した。本州3社以外の各社では、15日にJR九州、貨物でベアを伴う回答が出されたが、同日のJR北海道の回答はベアゼロに終わった。やや遅れて20日に妥結したJR四国でも、ベア獲得はならなかった。

本州3社のベア水準は1,000~1,300円

今季の交渉では、JR連合とJR総連がともに、「統一ベア要求」として前年同額の6,000円の要求を掲げていた。13日に各社の先頭を切って妥結したJR西日本の回答は、ベア額が1,000円で、前年実績から200円のマイナスとなったが、17年春闘実績(ベア750円)は上回り、6年連続のベア回答となった。続くJR東海は前年同額のベア1,300円で妥結している。

このところ西日本、東海より遅れて妥結していたJR東日本でも、今年は15日に回答を引き出した。定期昇給実施に加え、「定期昇給額の6分の1の額」を基本給に加算、さらに等級により100~200円の加算を行う。ベアに相当する「平均改善額」は1,050円となった。

JR九州、貨物のベア回答は前年と同額

JR東日本の妥結と同日の15日、四国を除くJR3社にも回答が示された。JR九州は前年同様300円のベア回答で妥結、ベア実施は5年連続となった。加えて、回答には地域限定で働く地域社員の基本給改善等の処遇見直しも盛り込まれた。

前年に19年ぶりのベア回答が出たJR貨物では、今年も前年同額のベア200円で妥結した。契約・臨時等の社員にも同額のベアが適用される。さらに55歳以上の社員に対し、ベアを含めて基本給に3,200円加算の賃金改善を実施する。

JR北海道では今年もベア獲得はならなかった。ただし、前年同様の55歳以上の社員、エルダースタッフへの一時金支給に加え、50~54歳層の社員に対しても前年を上回る賃金改善を回答している。

交渉が長引き20日に妥結したJR四国でもベアゼロ回答に終わった。回答では夏季手当が前年を0.06カ月上回ったほか、単身赴任手当の増額など制度改善が図られた。