パートを組織化する組合の7割が正社員以上の賃上げ率に/UAゼンセン

2019年3月27日 調査部

[労使]

UAゼンセン(松浦昭彦会長)は3月22日、20日に設定していた第二の集中回答日を終えた時点での妥結状況をまとめた。同時点までに、正社員組合員の賃金について168組合が妥結しており、定期昇給分にベアや賃金改善分などを合わせた賃上げ全体の妥結額は単純平均で6,901円(2.41%)。比較可能な組合では、300人未満の組合が前年同期比364円増となっている。パート時給の一人あたりの平均引き上げ率は2.81%。パート組合員もいる組合の7割が正社員を超える賃上げ率となっている。

300人未満が全体および300人以上を上回る

UAゼンセンでは22日10時時点で、正社員組合員の賃金について168組合(昨年182組合)、パートタイマー109組合(同99組合)、契約社員31組合(同36組合)が妥結した。これにより、全体の約43%にあたる72万2,000人(正社員23万2,000人、パートタイマー・契約社員49万人)の組合員の賃上げが決まったことになる。

正社員組合員の妥結状況を見ると、定期昇給分などの制度昇給にベアや賃金改善分などを合わせた妥結額は単純平均で6,901円(2.41%)。前年と比較可能な166組合では、額で6,909円(前年同期比171円増)、率で2.41%(同0.06ポイント増)となった。それを規模別で見ると、300人以上(126組合)が6,808円、2.32%、300人未満(40組合)が7,227円、2.67%。どちらの規模も前年同期を額・率ともに上回っており、特に300人未満の増加(前年同期比364円、0.11ポイント)が目立つ。

また、賃金体系維持分が明確になっている98組合について、ベアや賃金改善分などの「引き上げ分」の単純平均を見ると、1,911円(0.66%)となっている。規模別では、300人以上(85組合)が1,906円(0.65%)、300人未満(13組合)が1,941円(0.69%)で、引き上げ額・率ともに300人未満が全体および300人以上を上回る状況が継続している。

このほか、高卒初任給(46組合)は平均2,428円、大卒初任給(58組合)は平均2,389円の引き上げを獲得。18歳最低賃金(47組合)でも平均3,111円の引き上げを得ている。

18組合で企業内最低賃金の引き上げも

一方、パートタイム組合員の時間当たり賃金の妥結額は109組合の単純平均で29.7円(2.95%)。前年と比較できる103組合の単純平均は、前年同期を3.8円(0.27%)上回った。

正社員とパートタイマーともに妥結した78組合の7割で、パートタイマーが正社員を上回る賃上げ率を獲得。組合員1人あたりの平均引き上げ率(加重平均)は2.81%で、正社員の2.36%を大きく超えている。

なお、18組合で企業内最低賃金の引き上げを行なっており、平均引き上げ額は22円となっている。