総合重工6社が1,500円、非鉄総合は4社が賃金改善/基幹労連

2019年3月15日 調査部

[労使]

基幹労連(神田健一委員長、約26万5,000人)に加盟する大手労組の賃上げ交渉は、総合重工各社と非鉄総合各社が13日、回答を示した。総合重工は、三井E&S以外の6社が1,500円の賃金改善で決着。非鉄総合は、三菱マテリアルを除く4社が賃金改善の実施を回答した。なお、鉄鋼総合は昨年、「2018年度1,500円、2019年度1,500円」の2年分の賃金改善で妥結している。

基幹労連では、2006年の春季労使交渉から「2年サイクルの労働条件改善(AP:アクションプラン)」で統一要求を掲げる形をとっているが、2016年のAP16からは業種・部会による単年度の要求・交渉を容認。同年の労使交渉からは、総合(大手)でも総合重工や非鉄総合の労組が単年度の要求・交渉を行っている。

三井E&Sと三菱マテリアルゼロ回答

今次交渉では、三菱重工、川崎重工、IHI、住友重機械、三井E&S、キャタピラージャパン、日立造船の総合重工の各組合は2019年度の単年度で3,500円の賃金改善を要求。非鉄総合も三菱マテリアル、住友金属鉱山、三井金属、DOWAの4労組が2019年度3,500円、JX金属は3,100円を求めていた。

それに対し、三井E&S以外の総合重工6社の経営側は、前年同様、1,500円の賃金改善を回答。三井E&Sは、前年は1,500円の賃金改善で他社と足並みを揃えていたが、今回は「今次交渉においては、組合要求にお応えすることはできない」とした。

非鉄総合はJX金属が1,800円、住友金属鉱山が1,500円、三井金属が1,477円、DOWAホールディングスが1,000円の賃金改善をそれぞれ回答。その一方で、三菱マテリアルは、「実施しない」とした。

前年との比較で見ると、JX金属は前年実績(1,200円)を上回り、前年は回答を見送られた三井金属も今年は有額回答を得た恰好。住友金属鉱山は昨年の満額回答(3,500円)を下回ったものの、昨年の交渉で2019年度分も妥結済みの鉄鋼総合や総合重工と同額の賃金改善で応えた形だ。DOWAは前年実績と同額で決着している。

一方、年間一時金については、鉄鋼総合4社は全て業績連動方式。総合重工も川崎重工と三井E&Sは業績連動方式で、それ以外の回答は三菱重工が年間5.8カ月、IHIは「年間5.6カ月+協力金2万円」、住友重機械は5.78カ月、日立造船は「17万円+4カ月」など。非鉄総合は住友金属鉱山のみが交渉方式で、年間180万円で決着した。