労働組合を持たない働く仲間にも要求を届ける/連合中央集会

2019年3月6日 調査部

[労使]

連合(神津里季生会長)は3月4日、都内で「2019春季生活闘争 政策・制度要求実現3.4中央集会」を開いた。構成組織の組合員など1,554人が参加(主催者発表)。最大のヤマ場となる集中回答日を来週13日に控え、神津会長は「自分たちの切なる思いが込められた要求を、労働組合を持たない働く仲間にも届けていきたい」などと述べ、未組織職場も含めた、すべての働く者の賃上げや処遇改善などを訴えた。

連合は今春闘で賃上げ要求水準について、「2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とする」方針を掲げている。また、今年は格差是正を進めようと、上げ幅だけでなく賃金の絶対額にもこだわる姿勢を強調。自動車や電機などの大手企業では、今月13日の集中回答日に向けて労使交渉が本格化している。

要求は大手を上回る傾向が歴然としたものに

集会の冒頭、神津会長は、現在の構成組織の状況について、「今、第一のヤマ場を迎えて交渉の真っ最中だが、足下は非常に元気のでる要求になっている」と説明。そのうえで、今春闘での要求の特徴として、 ① これまで要求できなかった組織や、労働条件交渉はできても賃上げにまでは踏み込めなかった組織が、今年初めて要求に転じている ② 規模の小さなところであればあるほど昨年との対比で要求金額が増しており、大手を上回る傾向がさらに歴然としたものになっている ③ 要求の考え方のなかに、上げ幅だけではなく絶対水準にこだわることをしっかりと取り込んでいる組織が少なからずある――ことを挙げ、「運動は力だと改めて実感している」と強調した。

デフレに逆戻りしないよう主張を展開

その一方で、経営側が交渉のなかで先行き不安を訴えていることを紹介。「(世界経済や足下の産業、企業の状況等の)不安要素はあるだろうが、それだけをもって来週の回答のタイミングで『合成の誤謬』の引き金を引いてはならない」と牽制したうえで、「労使でこれまで積み上げてきたものを、ここで手を緩めてしまってはデフレに逆戻り。(経営側が)暗闇に向かうスイッチを押さないよう、世の中に広く主張を展開していこう」と呼び掛けた。

さらに政策・制度や働き方改革の要求にも触れ、「自分たちだけの問題ではないが、自分たちの切なる思いが込められている。それを労働組合を持たない働く仲間にもなんとか届けていきたい」と主張し、「要求の正当性の輪をしっかりと広げていこう」などと訴えた。

集会では、共闘連絡会議代表者などが交渉状況の報告と決意表明を行い、最後に「すべての働く者の『底上げ・底支え』『格差是正』の実現こそが、日本社会の持続性を確保するための原動力。組織の総力を結集し、最後の最後まで闘おう」などとする集会アピールを確認した。