賃金改善分の要求額平均は3,410円で昨年を上回る/自動車総連の要求状況
2018年3月7日 調査部
自動車総連(髙倉明会長、約77万人)の加盟単組では、2月末までに全体の9割が要求提出を終えた。ほぼすべての単組が賃金改善分を要求しており、要求額の平均は3,410円と昨年の最終要求集計額(3,317円)を上回っている。
規模が小さくなるほど要求額平均が高くなる傾向
自動車総連が3月1日午前9時現在でまとめた要求状況によると、1,092ある集計対象単組のうち、979組合でベースアップなどの賃金改善分の要求を行っており、単純平均は3,410円となっている。
これを業種別にみると、大手の「メーカー」(13単組)は3,000円、「車体・部品」(390単組)が3,226円、「販売」(582単組)が3,583円、「輸送」(27単組)が3,196円、「一般」(80単組)が3,110円。「メーカー」を除くすべての業種で昨年の最終要求集計を上回った。なお、トヨタ自動車や日産自動車などの大手自動車メーカー11組合と、独立系部品メーカー労組が集まる部品労連を代表する1組合(今回は日本特殊陶業労組)で構成する「拡大戦術会議登録組合」でみた平均額は3,042円となっている。
組合規模別に要求額をみると、「299人以下」(629単組)が3,442円、「300~499人」(123単組)が3,422円、「500~999人」(124単組)が3,387円、「1,000~2,999人」(73単組)が3,284円、「3,000円以上」(30単組)が3,065円となっており、規模が小さくなるほど要求額平均は高くなっている。また、すべての規模で昨年の最終要求集計を上回った。
賃金改善分の要求額の分布をみると、3,000円を超える額で要求した単組の割合が47.6%で、昨年最終の同割合(41.7%)を約6ポイント上回った。
こうした要求状況について自動車総連では「中小単組を中心に、『底上げ・格差是正を何としても進める』とした自動車総連全体の意思が強く表れているものと受け止める」としている。
非正規の時給引き上げ要求は平均で21.5円
非正規労働者に関する取り組みでは、賃金、一時金のいずれかの項目で要求した単組数が484で、うち479単組が賃金要求を行った。具体的な改善額を掲げて要求したのは99単組で、その平均額は時給換算で21.5円。自動車総連が要求基準とした「原則として、時給20円を目安」との内容を満たす要求状況となっている。
年間一時金については、996単組が要求しており、要求月数の平均は4.83カ月で昨年最終の月数平均(4.77カ月)を上回った。業種別にみると、「メーカー」(13単組)が5.80カ月、「車体・部品」(371単組)が4.90カ月、「販売」(528単組)が4.76カ月、「輸送」(18単組)が4.76カ月、「一般」(66単組)が4.81カ月で、すべての業種が昨年の最終要求集計を上回った。