統一要求は月額2万円以上、最低賃金時間額1,000円以上/国民春闘共闘の春闘方針

2018年1月17日 調査部

[労使]

全労連などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事、小田川義和全労連議長)は12日、都内で第1回単産・地方代表者会議を開催し、2018年国民春闘方針を確認した。賃上げの統一要求として月額2万円以上、時間額150円以上、最低賃金要求として時間額1,000円・日額8,000円以上・月額17万円以上を掲げる。今年からは同時に、労働時間規制要求として、時間外労働の上限を週15時間・月45時間・年360時間までとすること、勤務時間インターバルを11時間以上とすることを求めている。

賃上げ要求は前年と同様の水準

「月額2万円以上」をはじめとする要求水準は前年と同様の水準。方針はその位置づけとして、① 毎年実施している国民春闘アンケートの結果を反映 ② これまでの賃金目減り分を取り返し暮らしの改善を実現 ③ 底上げ・格差是正の重視と初任給の引き上げ④ 企業内最賃協定の改善・締結と均等待遇原則に基づく格差是正 ⑤ 職場・地域から時間額1,000円未満で働く人をなくす――を掲げている。

代表者会議では、要求の設定に用いる「はたらくみんなの要求アンケート」の1月12日付中間報告が提示された。昨年12月20日時点の18単産・10万7,662人の回答を集計した結果、月額賃金の引き上げ要求額を「1万円」と答えた人が25.7%、続いて「3万円」18.8%、「2万円」15.3%などとなった。「2万円」およびそれを上回る額を答えた人は合せて59.2%、回答された額の加重平均は2万7,411円となっている。

非正規雇用労働者などの時間当たり賃金については、引き上げの要求額を「100円」とした人が最多の29.9%、続いて「50円」19.1%、「200円」10.6%などで、回答額の加重平均は131.9円だった。

労働時間規制要求は労働法制についての論議を意識

方針は、「労働法制をめぐる問題は今春闘の焦点」と位置づけ、22日召集の通常国会で議論が予定されている「働き方改革」関連法案について、「労働時間規制に穴をあけて長時間労働を広げる一方、解雇を容易にして雇用の流動化も進め、多様で柔軟な不安定雇用を増やし、総額人件費を抑制する政策である」などと批判。このような観点から「労働時間規制等についても重視し、要求を掲げて設定する」とした。

なお、回答集中日は3月14日に設定、翌日15日に予定する統一行動を「最大の結節点として特別に重視する」とし、民間のストライキ、公務組合の職場大会などの行動を呼びかけている。さらに3月下旬(28~30日)には交渉集中ゾーンを配置し、回答の引き出し・上積みを進めるとしている。