NCCU、2018年度介護報酬改定に向けた厚労相宛の署名30万筆を提出

2017年11月15日 調査部

[労使]

UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU、約7万2,000人)は13日、2018年度介護報酬改定に向けた厚生労働大臣宛の要請署名を、蒲原基道厚生労働事務次官に手渡した。

今次改定に向けての署名活動は7月から実施し、30万1,213筆の署名を集約。2014年の前回改定時に集めた19万924筆を大きく上回る。内訳は、介護従事者が約15万筆、UAゼンセン組合員がほぼ同数となっており、NCCU組合員以外の介護従事者や他産業の組合員が多く含まれているのが特徴だ。NCCUはこの集約数について「介護問題についての国民の関心も今回の署名活動に反映された」とみている。

署名提出にあたって、NCCUの久保芳信会長は、賃金をはじめとした介護労働者の労働条件が介護報酬の上げ下げで大きく影響を受けるとし、深刻化する人材不足の状況下で「介護事業所の人員基準が守られなければ介護事業を展開できない」と指摘。これに対し蒲原次官は「重く受け止める」と応じたという。

署名提出には、川合孝典参議院議員(UAゼンセン組織内議員)も同席。「賃金の世間相場がじわりとだが上昇しているのに、介護職員の賃金水準は塩漬けで、もし介護報酬引き下げならばマイナス要因になる」と指摘した。

今回の署名におけるNCCUの要請内容(要旨)は以下の通り。

今、介護現場では離職者の数を充足できないほど深刻な人材不足が続いている。このことによる介護事業所の休止・廃止も相次ぎ、このままでは、介護従事者の不足により介護保険制度の持続が危ぶまれる状況にある。

私達は、介護従事者が希望と誇りをもって働き続けられる処遇を実現することが、介護保険制度の持続を可能にするとともに介護サービスの質向上に寄与すると考えている。こうした観点から、2018年度介護報酬改定にあたって、介護の現場に従事する立場から下記の要請を行う。

  1. 介護従事者が、介護を生涯の仕事として、生活設計が描ける処遇を実現できる介護報酬水準を設定してください。
  2. 利用者と介護従事者が、理解及び納得できる介護報酬を設定してください。