単純平均5,413円、1.98%/国民春闘共闘委員会の第2回賃上げ集計

2017年3月29日 調査部

[労使]

全労連や純中立組合などでつくる2017国民春闘共闘委員会(代表幹事:小田川義和全労連議長)が27日に公表した2017春闘の第2回賃上げ集計によると、24日までに344組合が回答を引き出し、有額回答のあった268組合の単純平均は5,413円、率で1.98%となった。加重平均では5,929円、2.06%となり、ともに前年同期を上回っている。

回答引き出し組合数、344組合と前年同期(266組合)を超える

国民春闘共闘は今春の賃上げ交渉で、統一要求として「月額2万円以上、時間額150円以上」の賃上げを掲げている。

24日までに回答を引き出した組合を対象とした第2回賃上げ集計によると、登録823組合のうち344組合(41.8%)が回答を引き出しており、前年同期の266組合(32.1%)を上回っている。

このうち、有額回答を引き出した268組合の単純平均(一組合あたりの平均)は5.413円(1.98%)で、前年同期を205円(0.07ポイント)上回った。組合員一人あたりでみる加重平均では5,929円(2.06%)となり率で2%を超え、前年同期を715円(0.18ポイント)上回っている。国民春闘共闘では「回答引き出し組合の8.7%にあたる30組合が二次回答以上と上積み回答を引き出している」と説明している。

なお、前年実績と金額が比較可能な165組合についてみると、単純平均額は5,434円で前年を74円下回っているが、前年実績以上の金額を獲得した組合数は97組合と半数を超えている。また、率が比較可能な93組合の賃上げ率は1.97%となっている(前年と変らず)。

パートやアルバイトなどの非正規雇用については、時間額の引き上げ回答があった91件の単純平均額が18.5円となった。引き上げ率(14件の単純平均)は0.99%、改訂後の時給(13件の単純平均)は1.034円と1,000円台に乗っている。

「粘り強く力を集中して取組む」(全労連幹事会確認)

第2回集計に先立って23、24日に都内で開かれた全労連幹事会では、交渉状況について、十分な回答とはなっていないが「そうした中でも統一闘争に固く結集し、成果を勝ち取っている組合も少なくない」として、「要求をあきらめずに粘り強く上積みを勝ち取るたたかい」を強調している。全労連事務局によると、今回の交渉では「粘り強くきちっと交渉している組合は、回答を引き出して上積みも出ている」ことが特徴としてみられるという。

全労連は当面、3月29~31日に「交渉集中ゾーン」を設定し、回答の上積み・引き出しを図るとともに、非正規雇用労働者についての取組みを進め、「職場から1,000円未満で働く人をなくす」をスローガンに最低賃金協定の締結・改善を図る。

さらに4月13~15日の「全国一斉統一行動ゾーン」では、「実力をかけた交渉を配置」して賃金交渉の決着を図るとともに上積みを求める。