組織の立て直し、信頼回復に全力で取り組む/日教組臨時大会

2017年3月17日 調査部

[労使]

日教組(約24万1,600人)は16日、都内で臨時大会を開き、当面の取り組みについて確認した。臨時大会では、週刊誌報道を発端に昨年11月に辞任した岡本泰良前委員長の後任に、泉雄一郎・兵庫県教組委員長を選出。大会終了後には、「教職員の長時間労働是正キャンペーン開始」の総決起集会を開いた。

新委員長に泉雄一郎氏を選出

日教組では、昨年10月以来の週刊誌報道等に関連して、岡本前委員長が「社会的責任を重く受け止め、責任を痛感する」として11月29日に辞意を表明。同日、岡島真砂樹副委員長が委員長代理に就任し、業務を代行していた。こうした経緯を踏まえ、当面の取り組みは、「組織としてのコンプライアンスとガバナンスが問われた厳しい状況にある」なか、「組織を立て直し、信頼回復にむけ全力で取り組んでいく」などと強調している。

また、臨時大会では、新委員長に泉兵庫県教組委員長を選出した。泉新委員長は、「(1995年の)阪神・淡路大震災では、日教組の皆さんが『教育復興促進ボランティア』を派遣してくれ、教育復興が進んだ。日教組が、組織としてのコンプライアンスとガバナンスが問われた厳しい状況にあるとき、恩返しをしないといけないとの思いもあり立候補した。組織の立て直し、信頼回復に向けて尽力していきたい」と決意を述べた。

時間外上限規制の法制化適用求める

一方、臨時大会終了後には、「『教職員の長時間労働是正キャンペーン開始』総決起集会」を開いた。連合総研が実施した「教職員の働き方と労働時間の実態に関する調査」によると、小学校教諭の72.9%、中学校教諭の86.9%が週60時間を超えて働いている長時間労働の実態が明らかになっている。

集会では、こうした教職員の過重労働や超過勤務の解消に向けて、時間外労働の上限規制法制化の際に教員にも該当既定を適用することや、教育委員会の責任で自治体一斉の「ノー部活デー」や「ノー残業デー」を実施すること、すべての教職員で新採用教職員を支援する学校運営体制を整備すること等の15項目の緊急提言を示し、「学校での働き方改革を通して、教職員と子どもの豊かな教育環境づくりを目指していく」(泉新委員長)姿勢をアピールした。