化繊関連で1,000円超の賃上げ獲得も/UAゼンセンの先行グループ
2017年3月17日 調査部
スーパーマーケット・百貨店などの小売・流通業界や、繊維や医薬品などの製造業、外食産業など幅広い業種をカバーするUAゼンセン(松浦昭彦会長、約161万人)の加盟組合では、14日のトリドールの妥結を皮切りに、妥結に至る組合が増えてきている。旭化成、東レなどの化繊関連では1,000円を超える水準の賃金引き上げ分を獲得した。
UAゼンセンでは統一賃上げ闘争をとっており、各単組の妥結の承認を中央闘争委員長(UAゼンセン会長)が行う。
妥結第1号となったのは、丸亀製麺を中心に展開するトリドールの労働組合で、正社員組合員について3,578円(平均方式、1.46%)の賃金引き上げ分を獲得した。パートタイマーの時給では、21.70円(2.41%)引き上げる回答を引き出した。
一方、15日までに、化繊大手の回答が出揃った。賃金体系維持分を除き、旭化成は1,480円(0.43%)、東レは1,200円(0.41%)、帝人は1,400円(0.43%)の賃金引き上げで決着。UAゼンセンの化繊関連では、売上の規模の違いなどから例年、自動車、電機の妥結水準を下回るケースが通常だが、今年は電機の1,000円相場を超える決着となった。
UAゼンセンの松井健・常任執行委員によると「化繊の妥結額が電機を上回ったのは、少なくとも90年代以降では初めて」だという。