金属・機械大手組合、賃金改善分1,000円割れの組合も/JAMの賃上げ回答状況

2017年3月17日 調査部

[労使]

金属・機械関連の中小労組を多く抱える産別労組のJAM(宮本礼一会長、約35万人)に加盟する大手組合では、15日夕方までにオークマ、島津、NTN、日本精工、クボタ労連、コマツなどの大手先行組合で決着。獲得した賃金改善額が1,000円に満たない組合も散見された。

相場形成役となる先行グループの労組の賃金に関する回答状況をみると、オークマが平均方式で賃金改善分620円、島津が700円、アズビルが720円、横河電機が1,425円、ジーエス・ユアサが35歳賃金改善で900円、NTNが30歳賃金改善で1,100円、日本精工が35歳賃金改善で「1,230円+α」、クボタ労連が900円、コマツが700円、井関農機が製造子会社の若年層に限った実施で500円となっている。

1,000円を超える賃金改善を獲得した組合があった一方で、1,000円に届かない組合もでた。

一時金について、交渉方式の組合の回答をみると、オークマが要求を0.4カ月下回る年間5.1カ月(昨年実績:5.9カ月)、横河電機が5.7カ月の満額獲得(同:5.8カ月)、ジーエス・ユアサが要求を0.15カ月下回る5.15カ月(同5.15月)、NTNが要求を0.2カ月下回る5.3カ月(同5.7カ月)、クボタ労連が要求を13万円下回る年間207万円(同年間215万円)、井関農機が2.69カ月(同2.66カ月)となっている。

経営側は「月例賃金の引き上げに慎重な姿勢を崩していない」/宮本会長

JAMの宮本会長は15日の金属労協本部での会見で「経営側は賃上げが社会的要請であることには一定の理解を示すも、先行き不透明感が強いこともあり月例賃金の引き上げに慎重な姿勢を崩していない。JAMとしては底上げ、底支えを意識して交渉を続けていく。過年度物価上昇がない中での交渉となっているが、賃上げの継続は必要だ」と今後本格化する中小労組の交渉に向けて抱負を語った。