全労連系メーデーは「なくせ貧困と格差」をテーマに開催

(2016年4月27日 調査・解析部)

[労使]

全労連などでつくる中央メーデー実行委員会は5月1日、東京・代々木公園で第87回中央メーデーを開く。「賃上げや最低賃金による底上げの実現」など労働問題への取組みをアピールし、同時に「国民共同の力で戦争法廃止、立憲主義を取り戻す」として「労働者、労働組合の一大決起の場」と位置づけて開催する。

メーデーの基本スローガンは、「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」で、1989年以降変わっていない。

メインスローガンのうち、労働問題に関するものは、「なくせ貧困と格差」「大幅賃上げ実現で景気回復」「いますぐ時給1,000円に」「全国一律最賃制実現」「壊すな『8時間労働』」「労働法制改悪反対、働くルールの確立」。また、今年にかけての政治情勢を反映して「明文改憲反対」などのほか「戦争法廃止へ野党の選挙協力を」をメインスローガンに取り入れている。

弁護士会、市民連合などとの連帯を促進

中央メーデーの式典では、小田川義和全労連議長による主催者あいさつ、「安保法制に反対するママの会」発起人西郷南海子氏、反貧困ネットワーク代表宇都宮健児氏の連帯あいさつ、日本共産党委員長の志位和夫氏のあいさつなどを予定している。全労連は今年の特徴として「弁護士会、市民連合や平和フォーラム系労組からの連帯あいさつが増えている」としている。

このほか、全労協系の「日比谷メーデー」(5月1日、東京・日比谷野外音楽堂で開催)との連帯を進める。1989年以来初めて、全労協側から中岡基明事務局長が代々木公園で、全労連側から井上久事務局長が日比谷野外音楽堂で、それぞれ連帯あいさつを行う予定となっている。

中央メーデーのほか、全国では311カ所で地方メーデーが開催され、16万2,000人の参加を見込んでいる。なお、熊本地震の影響により、熊本県メーデー実行委員会は当日、集会を短縮して、相談会と炊き出しを実施する予定だ。