300人未満の賃上げ4,954円で2%台キープ/連合の第3回集計(3月末時点)

(2016年4月6日 調査・解析部)

[労使]

連合(神津里季生会長)は1日、2016春季生活闘争の第3回回答集計結果(3月30日17時時点)をまとめた。要求提出した5,632組合のうちの1,812組合について集計した平均賃金方式での賃金引き上げ額は定昇相当分込み6,239円で、率では2.09%となっている。300人未満の組合でみても、賃上げ率は2.00%(賃上げ額は4,954円)と2%台をキープしている。

3月末時点の賃上げは6,239円、2.09%

3月末時点での回答集計結果をみると、集計組合総数は8,559組合で、要求提出組合は5,632組合。このうち、平均賃金方式では1,812組合が回答を引き出し、定昇相当分込みの賃上げ額(加重平均)は6,239円、率(同)は2.09%となった。昨年同期に比べ、額で705円、率では0.24ポイント下回っている。

集計結果を300人未満でみると、これまでに回答を引き出した1,049組合の賃上げ額は4,954円で、率は2.00%。昨年同期と比べると、額が231円減、率も0.08ポイントのマイナスとなっている。一方、業種別で、300人未満で額・率とも前年実績を上回っているのは、商業流通(34組合の一人当たり加重平均で771円、0.34ポイント増)、交通運輸(108組合、28円、0.14ポイント増)、サービス・ホテル(23組合、185円、0.02ポイント増)となっている。

平均賃金方式で集計した組合のうち、定昇相当分を除く賃上げ分が明確に分かる1,040組合の賃上げ分をみると、額は1,383円、率は0.45%。300人未満(472組合)では、額が1,311円、率は0.52%で、率では全体平均を上回る水準となっている。

連合では、「先行組合が引きだした賃上げ回答水準が維持されたまま、中小組合にまで広がりつつあることが読み取れる」などと分析している。

なお、一時金は、年間月数での加重平均は5.06カ月と前年を0.09カ月上回った。金額では前年比7,176円マイナスの160万2,579円となっている。

非正規労働者の時給引き上げは20.57円で昨年上回る

非正規労働者の時給引き上げの状況をみると、単純平均の賃上げ額は20.57円で、加重平均が19.30円。昨年同時期と比べると、単純平均で3.33円、加重平均でも1.13円上回っている。なお、平均時給は単純平均が999.56円、加重平均が934.48円だった。

一方、月給の引き上げ状況は、単純平均の賃上げ額が4,022円で、率は1.99%。加重平均では額が4,454円で、率は2.22%。賃上げ額を昨年と比べると、単純平均で266円、加重平均では217円上回っている。