先行組合の平均賃上げ6,341円(2.08%)/連合の第1回集計
(2016年3月23日 調査・解析部)
連合(神津里季生会長)は18日、2016春季生活闘争の第1回回答集計結果をまとめた。同日午前10時までに回答を引き出した組合の平均賃上げ額(定期昇給相当分含む)は6,341円で、賃上げ率は2.08%。昨年同時期に比べ、額で1,156円、率で0.35ポイントそれぞれ下回っている。回答状況について神津会長は、「過年度物価上昇がほとんどゼロのなかで、(定昇相当分を除いた賃上げ額が)1,500円、(または)それを上回る賃上げ回答を受けているのはかつてないことだ」などと評価した。
現時点で規模間格差は縮小
連合は今春闘で、3月14日から18日までを第1先行組合の回答ゾーンとしていた。18日午前10時時点での回答集計結果によると、集計した711組合の平均賃金方式での賃上げ額(加重平均)は6,341円で、賃上げ率は2.08%となっている。昨年同時期(2015年3月20日)と比べると、集計組合数は87組合少なく、賃上げ額は1,156円、率も0.35ポイントそれぞれ下回っている。
これを規模別にみると、300人以上の組合(335組合)の賃上げ額は6,383円(賃上げ率2.08%)で、昨年同時期比マイナス1,197円(マイナス0.36ポイント)。300人未満の組合(376組合)は、賃上げ額5,226円(同2.07%)で、昨年同時期比は賃上げ額マイナス521円(マイナス0.19ポイント)となっている。ともに前年の同時期を下回っているが、マイナス幅は300人未満規模の方が小さく、現時点で規模間格差は縮小していることがうかがえる。
定昇相当分を除いた賃上げ額は1,478円
平均賃金方式をとっている組合のうち、ベースアップなどの賃上げ分(定昇相当分を除いた部分)が明確に分かる389組合の集計をみると、賃上げ分の平均額(加重平均)は1,478円で、率は0.47%。規模別では、300人以上(232組合)の賃上げ分の平均額は1,480円で、率は0.47%、300人未満(157組合)の賃上げ分の平均額は1,402円で、率は0.53%だった。
非正規の時給は25.96円、月給は5,075円の引き上げで昨年上回る
非正規労働者の賃金引き上げの回答状況をみると、時給を引き上げた54組合の賃上げ額の平均は25.95円で昨年同期比4.19円増。月給引き上げ(26組合)では5,075円で、同960円増となった。正規労働者は対前年マイナスだが、非正規労働者は昨年との対比でプラスになっている。
会見した神津会長はこうした回答状況を受けて、「過年度物価上昇がほとんどゼロのなかで、1,500円や、それを上回る賃上げ回答を受けている。かつてないことで、持続性、月例賃金にこだわった結果だと現時点で考えている」と評価したうえで、「(規模間格差の縮小や非正規労働者の賃上げは)底上げにこだわったことの現れもある。後はそれをどうやって広がりにつなげていくかだ」などと述べた。