月額2万円以上、時間額150円以上を要求/国民春闘共闘委員会の統一要求方針

(2016年1月20日 調査・解析部)

[労使]

全労連などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事、小田川義和全労連議長)は1月15日、都内で第1回単産・地方代表者会議を開催し、統一要求として月額2万円以上、時間額150円以上の賃上げを掲げる2016年国民春闘方針を確認した。このほか、最低賃金要求として時間額1,000円・日額8,000円以上・月額17万円以上を設定。とくに時給について、「すべての働く人々の底上げを実現し、時給1,000円未満の人をなくす」と強調している。

春闘アンケートをもとに生計費原則に基づく「底上げ要求」を設定

国民春闘共闘委員会は、要求方針策定にあたって春闘アンケートを実施し、前年同期より約3万2,000人多い約13万4,000人から回答を得た(有効回答数12万7,603人)。集約した賃上げ要求額を平均すると2万3,900円となり、また回答者の84.5%が「1万円以上」としている。方針は「2014年度の実質賃金は前年比マイナス3.4%」としつつ、この結果も踏まえて、月額2万円以上の根拠について「実質賃金低下分」を1万円、「底上げ要求」分を1万円と説明している。また、非正規労働者の時給引上げ額を150円以上とした点についても、アンケートにおける要求額の平均が122円、「100円以上」が56.8%、「50円以上」が82.0%であることを勘案し、実質賃金低下分を50円、底上げ分を100円と設定している。

「社会的な賃金闘争の総合的な推進」を強調

方針は賃上げ要求とともに、「社会的な賃金闘争の総合的な推進」を柱とし、「すべての働く人々の底上げを実現する」とうたっている。地域から時給1,000円未満で働く労働者をなくす取組みを「広義の最賃運動」として推進する。あいさつした小田川代表幹事は、非正規労働者が増加し賃金格差が改善されていないとして「格差解消に向けた動きをつくり加速させていくことは可能だ」と述べ、「時給1,000円未満の人をなくすたたかい」の意義を強調した。

「社会的な賃金闘争」では、賃金の底上げ要求に加えて、公務賃金の改善と、国や地方自治体の事業を受託した事業者に自治体が指定した賃金の支払いを確保させる「公契約条例」の制定促進を打ち出している。受託業者の賃金を最低賃金よりも高く設定することで賃金格差を和らげるねらいがある。

この運動について発言した東京地評(東京春闘共闘会議)は、東京において多摩市など6自治体で公契約条例が制定され、これらを含め31自治体で制定または制定を検討中との回答があったことを紹介。「なだれを打ってとまではいえないが、大きな変化が出ているのは事実だ」と述べた。議論の場でも「当県ではまだ条例化の実績はないが、公契約キャラバンを展開している。自治体非正規労働者の賃金を世間並みにしていきたい」(岡山県労会議)といった声があがった。

「3月17日の統一行動を最大の山場とする」ことを確認

日程については、2月を「地域総行動月間」と位置づけ、「社会的な賃金闘争」を含め、「大企業の責任を問い、内部留保の社会的な還元を求める宣伝やキャラバン行動などの取組みを単産と地域が協力して総がかりで展開する」としている。集中回答日は3月16日に設定し、「例年以上に重視し結集を強める」と強調。翌3月17日の統一行動を最大の山場とすることを決定した。