「昨年より歩幅を大きく踏み出した」(相原議長)/金属労協の2015闘争の回答総括

(2015年3月20日 調査・解析部)

[労使]

金属労協(JCM、相原康伸議長)に加盟する主要労組に、一斉に2015闘争に対する回答が経営側から示された18日、相原議長(自動車総連会長)ら加盟5産別のトップが、都内金属労協本部(都内)で会見し、回答に対する受け止めなどを語った。相原議長は「2015年は、継続した賃上げが求められるなかで、昨年より歩幅を大きく踏み出すことができた」などと述べた。

一時金は32組合すべて5カ月以上に

翌19日13時現在での、18日までに回答を引き出すことになっている主要組合(53組合)の回答状況をみると、賃金について賃上げ要求している組合は37組合で、賃上げ要求額(賃金構造維持分・定昇分は除く)の単純平均は6,943円となっている。このうち、回答を引き出したのは37組合で、うち36組合が賃上げを獲得。賃上げ獲得額の平均は2,801円で、昨年実績の1,737円を1000円以上上回った。

一時金は、53組合のうち32組合が要求・回答方式となっており、支給額・月数が確定した全32組合の回答をみると、平均月数は5.26カ月で4カ月に満たなかった組合はなかった。前年比でみると、前年を上回った組合が23組合と大半を占め、同水準が6組合、下回った組合は3組合となっている。

企業内最低賃金協定については、52組合で協定締結できており、水準引き上げを要求した組合は25組合。水準引き上げ回答をうけた24組合の平均引き上げ額は2,004円で、昨年の1,694円を300円程度上回った。

昨年を確実に上回る継続的な賃上げを獲得

18日12時までの回答状況について、同日の午前中に開催された第6回戦術委員会で金属労協は、「本日示された回答は、われわれの要求を全て満たすものとはいえないものの、各組合がギリギリの交渉を行った結果、昨年を確実に上回る継続的な賃上げを獲得することができた。実質生活を守り、経済の好循環を実現するという今次闘争の意義からみて、一定の役割を果たすことができたと判断できる」などとする確認事項をまとめた。

会見で相原議長は、「2015年は、継続した賃上げが求められるなかで、昨年より歩幅を大きく踏み出すことができた。現在の回答を見る限り、金属労協にとって、職場の組合員はもとより、世の中の目線を持ち上げていける期待感を発信することができた」などと同時点での回答内容を評価した。

  • 金属労協2015闘争 集中回答日記者会見(動画)/金属労協HP
  • 2015年闘争 金属労協集計登録組合 要求・回答状況/金属労協HP
  • 2015年闘争の回答に対する金属労協議長の談話(要旨)/金属労協HP
  • 2015年闘争要求・回答状況総括表【集中回答日速報用】/金属労協HP
  • 第6回戦術委員会確認事項/金属労協HP