消費税率引き上げを許さないたたかいを/全労連系メーデー
(2012年05月09日 調査・解析部)
全労連などでつくる中央メーデー実行委員会は1日、東京・代々木公園で「第83回中央メーデー集会」を開き、消費税率の引き上げや環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加などに反対するとともに、大震災からの早期復興や原発ゼロの実現、安定した雇用とまともに暮らせる賃金・権利の確保を求めて立ち向かおうと呼びかけた。2万1,000人(主催者発表)が参加した。
実行委員会を代表してあいさつした大黒作治・全労連議長は、この10数年の間に可処分所得や消費支出は減り続け、社会保障も負担増と給付の切り下げが行われるなど「国民生活には耐えがたい犠牲が強いられ続けてきた」としたうえで、「当面の焦点は、消費税率10%に引き上げる増税を許さないたたかいだ」と指摘。「国民の6割以上は反対で、その世論は日増しに高まっている。消費税の増税や社会保障の改悪をしなくても、財政危機を打開する道はある」と強調した。その方向として、一部の大企業・資産家への優遇税制を改めることや社会保障制度の修復、軍備費や大型公共事業の無駄の削減などをあげ、「この道こそ、確かな未来を切り開く鍵だ」と訴えた。
また、集会では、福島県厚生連労働組合の松崎純子さんが「(勤務先の)双葉厚生病院から避難のために患者を搬送していた時に福島第一原発が爆発し、身体が後に飛ぶほどの衝撃を受け、命の覚悟をした。患者を避難所に移動させ、除染を受けながら自分も避難したいとの葛藤のなかで看護にあたったが、その辛さは忘れられない。故郷に帰れず病院の仲間や家族ともバラバラでどこに行ったら良いかわからない。なくしたものは大きすぎる。本当の居場所がまだ見つからないが、同じ事を繰り返さないためにできることをしたい」などと話した。
なお、集会では「『99%』の力の総結集で、『雇用と仕事の確保、賃上げ、社会保障拡充で、内需中心の経済、震災復興、原発ゼロ』のたたかいを飛躍的に前進させよう」などとするメーデー宣言を採択した。