大災害からの復興を通じて日本全体の再生を/連合メーデー

 

(2012年05月09日 調査・解析部)

[労使]

連合が4月28日、東京・代々木公園で開催した第83回メーデーには、約3万5,000人(主催者発表)の組合員が集まった。今年のスローガンは、「日本全体でつながり・支えあおう! すべての働く者の連帯で働くことを軸とする安心社会を実現しよう!」。

写真・メーデー代々木公園のようす、のぼり、参加する人々

働く場の確保が何よりも重要(古賀会長)

大会実行委員長としてあいさつした古賀伸明会長は、まず、震災から1年が経過したことについて、「この1年間、被災地では、懸命の努力が続けられ、少しずつではあるが、復興・再生へのほのかな明かりが見え始めた場面もあると思う。私たちは、この震災被害を決して風化させず、これからも被災地・被災者に寄り添いながら、私たちにできる支援と連帯の行動を継続していくことをあらためて誓い合いたい」としたうえで、「被災地・被災者の生活再建のためには、政府と自治体、そして被災者の相互信頼を培いながら、地域経済を再生し、働く場を確保することが何よりも重要だ。『雇用の再生なくして、被災地の復興・再生なし』を肝に銘じて取り組んでいかなくてはならない」と強調した。

また、現在の社会や雇用の課題について、超高齢化社会の到来や社会保障制度のほころび、社会の格差の拡大やワーキングプアの増大などを具体的な例としてあげ、「こうした課題を克服するためには、成熟社会における経済・社会運営のあり方を抜本的に見直す必要がある」と提起。これからの社会を支える価値観として「助け合い」「支え合い」などを重視していくべきだとして、「大災害からの復興・再生を通じて日本全体の再生を成し遂げるという強い決意をもって、新しい日本社会のかたちを構築していくために歩みをゆるめてはならない」と訴えた。

大災害からの復興を通じて日本全体の再生を/連合メーデー

来賓として、政府からは野田首相が代表してあいさつ。厚生労働省からは小宮山大臣が出席し、あいさつした。式典前には、野田首相が会場内のブースに立ち寄り、人だかりができる場面も見られた。

2年ぶりにお祭色の濃いメーデーに

昨年は震災直後ということで、位置づけを「震災復興支援集会」に変更。お祭り色の強いメーデーの開催は2年ぶりとなった。会場では、音楽堂のステージで、フラダンスなどのパフォーマンスが行われた。飲食店ブースでは、タイ、メキシコ、インドネシアなど世界の料理が提供され、組合員とその家族で午前中から賑わっていた。こどもが楽しめる工夫も施され、プロ野球選手会OBとのキャッチボールや、動物村なども行われた。

大災害からの復興を通じて日本全体の再生を/連合メーデー