加盟組合の精一杯の取り組みの成果/鉄鋼、造船重機、非鉄の基幹労連

(2012年03月16日 調査・解析部)

[労使]

鉄鋼や造船重機、非鉄金属の組合で構成する基幹労連(神津里季生委員長、25万2,000人)は14日、2年サイクルの取り組みとなる総合組合の「AP12春季取り組み」の回答結果を集約した。示された回答について基幹労連は、「経営側が組合主張に一定の理解を示したところもあり、各加盟組合が要求貫徹に向けて精一杯取り組んできた成果だ」などと評価する見解を出した。

鉄鋼総合組合の課題解決型の賃金改善要求である「子育て世代の支援策」については、 (1)労使話し合いの場の設置 (2)合意施策から順次実行 (3)必要な財源投入――の回答が示された。年間一時金では、業績連動算定方式を採用していない住友金属が前年比20万円減の年間130万円、神戸製鋼所が同32万円減の103万円の回答だった。

一方、総合重工の各組合が求めた2年を一つの単位とした3,000円の賃金改善については、「今次交渉では応じられない」として、具体的な回答には至らなかった。年間一時金は、業績連動算定方式の川崎重工業を除くと、三菱重工が46.5万円+4カ月(生産協力金を含む)、IHI27万円+4カ月+特別協力金3.5万円、住友重機械5.1カ月+2万円、三井造船30万円+4カ月、キャタピラージャパン48万円+4カ月、日立造船16万円+4カ月となった。

非鉄総合の賃金改善については、三菱マテリアルが「交代手当の増額」、住友金属鉱山が「労使委員会に検討を付託」、DOWAは「別途協議」、JX金属は「直長手当の新設(住宅手当の見直しは時期を改めて別途協議)」との回答をそれぞれ引き出した。三井金属は年収管理方式を採用している。年間一時金は住友金属鉱山が181万円、三井金属が148.5万円の回答。

基幹労連は同日、これら総合組合の回答に対し、賃金改善は、「ほとんどの組合で4月1日から実施の具体回答には至らなかった一方、多くの組合で課題認識の労使共有化も図られ今後の改善に向けた道筋を見いだしている」などと評価。一時金についても「業績改善に見合った適正配分や厳しい業績であっても組合員の協力・努力を正当に評価することを求め、粘り強い交渉を展開してきた。回答は経営側が組む合いの主張に理解を示し、組合主張を織り込んだものと受け止める」などとする見解を公表した。