統一ベア月額2,000円を要求/JR総連

(2012年02月08日 調査・解析部)

[労使]

JR総連(武井政治委員長、7万人)は3日、都内で中央委員会を開催し、昨年と同額の2,000円の統一ベア要求など盛り込んだ2012春闘方針を決定した。

挨拶に立った武井委員長は、経団連が1月24日に発表した「経営労働政策委員各報告」の中で、定期昇給の延期・凍結の可能性に踏み込み、ベアは論外としたことに対し、「内部留保を議論せず、労働側に譲歩だけを求める姿勢は厚顔無恥だ」と厳しく批判した。

今春闘の賃上げ要求では、JR各単組など定期昇給分(賃金カーブ維持分)の算定が可能な組合は、定昇分を確保するとともに、生活維持・改善分として、昨年と同額の2,000円を統一ベア要求する方針を固めた。

また、人事評価制度の変更等で賃金が目減りした分などの格差是正・実損回復分については、必要に応じて各単組で設定することとしている。たとえば、JR東海労では、1,700円を加算し、3,700円を要求するという。

定昇の算定が困難な組合の場合は、連合・中小共闘方針を踏まえ、定昇・賃金カーブ維持分を含む5,500円を要求する。

非正規社員の賃金も連合の方針を踏まえ、時給1,000円以上をめざす。

このほか、ワーク・ライフ・バランス改善に向けて、不払い残業の撲滅、労働時間管理の適正化、36協定の遵守、労働時間短縮にも取り組む。具体的な目標として、年間所定労働時間2,000時間を上回る組合をなくすことや、年次有給休暇の初年度付与日数を15日以上とすることなども要求に盛り込んだ。

駅構内で出札、改札、案内などを担当する有期契約社員「グリーンスタッフ」の第一期採用者が2012年で契約更新の上限年数である5年に達することから、正社員登用の拡大に向けて、引き続き取り組む。

厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が2013年から段階的に引き上げられ、年金をもらえずに退職する社員の発生が危ぶまれていることから、希望者全員の再雇用を目指し、労使交渉を強化することも決めた。