誰でも時間額100円以上、月額1万円以上の賃上げを/国民春闘共闘

(2012年01月13日 調査・解析部)

[労使]

全労連などで構成する国民春闘共闘委員会(代表幹事:大黒作治全労連議長)は12日、都内で第1回単産・地方代表者会議を開き、「2012年国民春闘方針」を決定した。賃金要求目標として、「誰でも時間額100円以上、月額1万円以上の賃金引き上げ」の水準引き上げと「時間額1,000円、日額7,500円、月額16万円」の最低基準達成をめざす。

大黒代表幹事は挨拶のなかで、経営側の姿勢について、「円高やEUの金融危機、大震災からの迅速な復興を口実に、さらなる大企業中心の利益優先社会をさらに追求しようとしている」と批判。「このような財界の主張をくつがえして、雇用と暮らしを守るために春闘を発展させる条件と要求実現の可能性がどこにあるのか明らかにすることが重要だ」と訴えた。

さらに、貧困と格差の拡大が進むなかで、日本経済を再生に向かわせるためには、「安定した雇用の確保や賃上げなどにより、内需拡大へ思い切った転換を図ることが求められている」と主張した。

2012年国民春闘方針では、今春闘と同水準の「誰でも時間額100円以上、月額1万円以上の賃金引き上げ」を設定。最低基準については、「時間額1,000円、日額7,500円、月額16万円」を掲げた。各単産はこれらの統一目標に基づき、「すべての労働者の賃金引き上げで内需拡大」を旗印に要求実現に取り組む。

一方、政府が2012年通常国会に提出しようとしている「税と社会保障の一体改革」に対しては、「消費税率引き上げを最大目的に、社会保障の市場化と応益負担の立場で保険料引き上げと給付削減を進める『改悪』の強行」であるとし、反対闘争に取り組む。具体的には税制における大企業優遇の実態を告発するとともに、増税の影響が労働者へ及ぼす影響を明らかにすることで国民の理解を求めるとしている。

大会では、「266兆円もの巨額な内部留保をため込む大企業を『99%(の国民)の声を聞け、大企業は社会的責任を果たせ』の声で包囲しよう」などと呼びかける「2012年春闘・闘争宣言」を採択した。