「国土交通労働組合」を結成、国公労連傘下で最大規模に

(2011年9月14日 調査・解析部)

[労使]

国土交通省関連の6つの職員組合でつくる国土交通省労働組合共闘会議は新たに「国土交通労働組合(仮称)」として再編・統合し、11日に都内で結成大会を開催した。統合後の組合員数は約1万7,000人で、国家公務員の単産組織「国公労連」傘下の組織としては最大規模。初代役員には安藤高弘氏(九州運輸支部)、笠松鉄兵氏(四国建設支部)などを選んだ。

新組合は、全運輸労働組合(全運輸)、国土交通省全建設労働組合(全建労)、全気象労働組合(全気象)、全運輸港湾建設労働組合(全港建)、海員学校職員組合、海技大学校職員組合の旧6単組が統合したもの。

統合の背景には、国家公務員を取り巻く環境がかつてないほど強い逆風が吹いていることにある。政府は地域主権改革を進める中で、国の出先機関を「原則廃止」し、その権限を地方に移譲することを打ち出した。これを受けて、関西広域連合や九州広域行政機構は国交省所管の地方整備局など3機関を移管するよう求めている。また、震災の復興財源捻出のための国家公務員の給与引き下げや公務員制度改革問題も正念場を迎えつつある。

危機感を強めた旧6単組はこうした問題に対応するため、これまでの個別の運動から脱却し、交通運輸および建設も巻き込んだ全国規模の単産運動を展開していくため、統合の道を選んだ。

大会では、 (1)被災者本位の生活再建と地域再生に向けた公務・公共サービスの拡充 (2)公務員の賃下げを許さず、賃金改善をはじめとする労働条件の改善をめざす (3)国公労働者の統一賃金要求をはじめとする春闘要求の実現をめざす――など2011年度運動方針を確認した。

役員選挙で委員長に選出された安藤高弘氏は挨拶で、「国土交通労働組合は各単組の歴史と伝統を引継ぎ、これまで進めてきた先進的な取り組みを活かしつつ、不十分な部分をお互いが補っていける組織をめざしたい」と述べた。

さらに「時代の転換点ともいうべき時に国土交通労働組合の奮闘次第で世の中が変わっていくといっても過言ではない。新たな時代の運動を全国の職場から旺盛に進めて行こう」と呼びかけた。