定年年齢「65歳以上」は13.3%-厚労省「就労条件総合調査」

[統計]

(10月15日 調査・解析部)

定年年齢を65歳以上としている企業の割合は13.3%であることが10月14日、厚生労働省の「就労条件総合調査」で明らかとなった。一方、企業が従業員を継続雇用しなければならない年齢の下限として、法で義務付けられている「63歳以上」を定年とする企業の割合は15.7%だった。2006年4月1日から施行された改正高年齢者雇用安定法では、企業に65歳までの継続雇用を義務付けているが、多くの企業は定年制の引き上げはなく、再雇用制度などで対応している状況だ。

調査は従業員30人以上の企業6,143社を対象に2010年1月1日現在の労働時間制度、定年制度、賃金制度などの状況を聞いたもの。4,406社から回答があった。

同調査によると、一律定年制を定めている企業の割合は98.7%。このうち、定年年齢を「65歳以上」としている割合は13.3%。前年の調査(13.5%)からほぼ横ばいとなった。

06年4月1日から施行された改正高年齢者雇用安定法では企業に対し、(1)定年の引き上げ(2)継続雇用制度の導入(3)定年制度の撤廃のいずれかの措置を講じることが義務付けられた。継続雇用の下限となる年齢は段階的に引き上げられ、(1)06年4月1日から07年3月31日までは62歳(2)07年4月1日から10年3月31日までは63歳(3)10年4月1日から13年3月31日までは64歳(4)13年4月1日以降は65歳――となっている。

調査時点の下限年齢である「63歳以上」の割合は15.7%で前年から0.3%の下落となった。

一方、定年後、従業員を退職させることなく引き続き雇用する「勤務延長制度」、いったん退職させた後、再び雇用する「再雇用制度」の導入状況を聞いたところ、「勤務延長制度のみ」が11.5%、「再雇用制度のみ」が68.5%、「両制度併用」が11.3%となっており、多くの企業は定年年齢の引き上げではなく、再雇用制度などで継続雇用に対応していることがわかった。

勤務延長制度または再雇用制度がある企業のうち、雇用する年齢の上限を定めている企業の割合は勤務延長制度がある企業で55.8%、再雇用制度がある企業で77.1%だった。年齢の上限をみると、「65歳以上」の割合は勤務延長制度がある企業で92.5%、再雇用制度がある企業で91.8%となっており、いずれも03年以降で最高となった。

年休取得率は47.1%で前年(47.4%)から0.3ポイント下落した。企業が従業員に与えた年休の日数は一人平均17.9日で、そのうち、取得した日数は8.5日。企業規模別でみると、「1,000人以上」で53.5%、「300人~999人」で44.9%、「100人~299人」で45.0%、「30人~99人」で41.0%となっており、従業員数が多いほど年休を取得しやすい傾向にあることがわかった。