第1回政府・連合トップ会談を開催、年3~4回の開催を確認

(2009年12月4日 調査・解析部)

[労使]

 

鳩山由紀夫首相と連合の古賀伸明会長による初めての「政府・連合トップ会談」が2日朝、首相官邸で開かれ、双方の首脳が50分にわたり、景気・雇用対策など当面の政策課題を中心に意見交換した。トップ会談は、予算をはじめとする重要政策について協議する場として、年3~4回開催することも確認した。

冒頭、鳩山首相が「雇用情勢も依然として厳しく、景気の二番底が到来するとも言われている。政府は10月23日に緊急雇用対策を取りまとめ、菅副総理を中心に政府を挙げて雇用の確保に取り組んでいる。年末年始にかけて失業等で困る人が増えないよう『ワンストップサービス』を11月30日に試行した。これからも積極的に取り組む」などとあいさつした。

これを受け、古賀会長は「このトップ会談は、これまで行ってきた要請型の『政労会見』とは異なる。節目、節目にお互いの方向性を確認しつつ、課題の解決に向けて話し合う、重要な協議の場として期待している」との意向を表明。そのうえで、首相が唱える「友愛社会」と連合が目指す社会との方向は一致しているとしつつも、「政権運営の基軸をより具体的に発信していく必要があるのではないか」と問題提起した。さらに、デフレ、円高、株安など直面する課題の解決に向け、「国民の生活や雇用を大事にすることを最優先に、補正予算、来年度予算の編成作業を行うとともに、新しい日本社会を構築するグランドデザインを発信することをお願いしたい。連合としても最大限、サポーターとして努力することを表明する」と述べた。

連合「来年度予算の国債増発やむなし」

会談で連合側は、今後さらなるデフレや雇用情勢の深刻化が予想されることから、景気回復に向け、「税収の大幅減という負の遺産を清算するには国債増発もやむを得ないのではないか」として、2009年度第2次補正予算と10年度予算では大胆な経済対策を実施するよう要請。雇用対策関係では、11月25日の第1回雇用戦略対話での確認事項を踏まえ、「雇用保険の国庫負担率四分の一への復帰」「緊急雇用創出基金の積み増し」「雇用調整助成金の支給条件緩和」「新たな職業訓練・能力開発の仕組み」などを求めた。

これを受け、鳩山首相は「雇用対策を中心に、積極的な展開を作り上げていきたい。日銀との共闘態勢の中でデフレ対策にも万全を期していきたい」と応じた。また、具体的な要望項目については、政府側から「今週中に、新たな経済・雇用対策をとりまとめる。雇用調整助成金の要件緩和については、300人以下の企業を目途とするか否かは、財政負担を試算しており、それを見ながら判断したい。雇用保険の国庫負担金については、財政的な検証も含めて前向きに検討する」などの発言があった。

最後に今後の会議の持ち方を確認。年3、4回程度トップ会談を開き、予算編成や重要政策について意見交換することを申し合わせたほか、(1)実務レベルでは、官房長官と連合事務局長をヘッドとする「定期協議」を月一回を目途に開催すること(初回は11月16日に開催済み)、(2)政策ごとの協議は各省ごとに随時行うこと――についても、双方が了解した。

会議には、連合側からは、古賀会長のほか、岡本・徳永会長代行、西原・内藤副会長、南雲事務局長らが出席。政府からは、鳩山首相、菅副首相、平野官房長官、長妻厚労大臣、藤井財務大臣、仙石行政刷新相らが出席した。