賃金収入減も失業不安も過去最高に/連合総研調査
(2009年12月2日 調査・解析部)
賃金収入が減っている人も、失業不安を抱えている人も調査開始以来の最高値に――。連合総研(薦田隆成所長)が11月26日に公表した「勤労者の仕事と暮らしのアンケート」調査結果で、こんな厳しい現実が浮き彫りになった。この結果、家計支出を切り詰めている人は約9割に達している。
4割強が「1年前より賃金収入が減った」と回答
調査は首都圏と関西圏に居住する20代~50代の民間企業で働く900人を対象に今年10月上旬に実施。796人から得た回答をまとめた。それによると、自身の賃金収入が「1年前と比べて減った(「かなり減った」と「やや減った」の合計)」人は41.5%。同様に、1年前と比較して世帯全体の消費が「減った(同)」との回答は29.8%で、どちらも2001年10月の調査開始以来、過去最高を記録した。
賃金が「減った」人の割合を業種別にみると、製造業がもっとも多く57.9%。以下、建設業(42.1%)、金融・保険業・不動産(38.9%)、卸売・小売業(38.5%)、運輸・通信業(37.0%)の順だった。
雇用・賃金調整が失業不安に
今後1年ぐらいの間に失業する不安を感じる人の割合(28.3%)も、調査開始以来、もっとも高い割合となった。1年前の調査(23.8%)と比べた上昇幅は4.5%で、こちらも過去最大を記録した。性別・年代別をみると、50代男性(44.2%)や40代男性(34.7%)、40代女性(30.0%)など中高年層で不安感が高く、性別・就業形態別では、男性非正社員(48.2%)の高さが目立つ。また、職場で働く従業員の数が減った層や、賃金収入が減った層で失業不安が高いのも特徴で、連合総研では「何らかの雇用調整・賃金調整がなされていることが失業不安につながっている」とみている。
約9割が家計支出を節約
こうした状況のなかで、家計支出を「切り詰めたり、あきらめたりしている」人は89.7%に上った。節約する項目(複数回答)は外食費(62.2%)の割合が一番高く、次いで趣味・レジャー費(48.9%)、衣料品代(44.6%)、理容・美容の費用(31.5%)、交際費(30.4%)、電気製品の購入(30.3%)などが続いた。それでも、収支状況は20.7%が「毎月赤字になる」と答えている。
このほか、仕事について「不満」とした人は比較可能な2005年10月調査以来、最高の47.2%に達している。生活全般について「不満」との回答も05年10月以来、最高の47.0%だった。