改正労働基準法への対応方針を確認/連合

[労使]

連合(髙木剛会長)は7月16日の中央執行委員会で、来春施行される改正労働基準法に伴う労働協約整備の対応方針を確認した。改正法の規定を上回り、月45時間超の時間外労働と休日労働の割増率で50%以上に引き上げることをめざす。

来春の労働基準法の改正では、一定規模以下の中小企業を除き、1カ月60時間を超える時間外労働の法定割増率は50%以上に引き上げられる。また、1カ月45時間を超える部分については、企業規模に関わらず25%を超える割増率を労使協定することも定めている。さらに、月60時間超の時間外労働については、割増賃金25%の引き上げ分の支払いに代えて有給休暇を付与できる制度も設けられた。

月45時間超と休日労働は50%以上の引き上げをめざす

対応方針は、連合の「中期時短方針」の基本目標である「時間外50%、休日100%」の方針を堅持したうえで、当面の間、企業規模による取り扱いの差をつけることなく、(1) 時間外労働が月45時間以下の場合は30%以上(2) 時間外労働が月45時間超と休日労働は50%以上――の引き上げをめざすとした。月45時間超の時間外労働については、「50%以上」としながらも、36協定ではできる限り「1カ月45時間以下」とすることを基本に取り組む。

改正法では休日労働についての改定がないことから、「現行法では35%となっているが、労務コスト削減の観点から休日労働に偏った勤務シフトとならないよう就く45時間超の時間外労働と同じ引き上げをめざしていく」という。また、改正法施行3年後の見直し時には、中小企業への猶予措置の廃止に向けて取り組む考えだ。

代替の有休休暇制度は導入しない

一方、月60時間超の時間外労働の引き上げ分に代えて有休休暇を付与できる制度については、「労働の対価は本来、賃金で支払うことが原則である」うえ、(1) 職場は要員確保の関係から有給休暇が取りにくく、取得率が下振れしている現状にある(2) 不払い残業も未だに残されている――などの解決すべき課題が多く残されていることから、「代替休暇制度の導入をしないことを基本に対応を進める」と明記している。

(調査・解析部)
2009年 7月22日