積極的な要求で賃金底上げと生活改善を/国民春闘共闘の春闘方針の骨格

(調査・解析部)

[労使]

全労連などでつくる国民春闘共闘委員会は29日、都内で年次総会を開き、09年春闘方針の骨格を確認した。定期昇給分に物価上昇分と賃金改善分を加えた賃金の引き上げを求めるとともに、非正規労働者の労働条件改善の取り組みなどを強化する。

骨格は、景気の後退と物価の上昇に対応して、「積極的な賃上げ要求の合意形成をはかり、職場における賃金闘争を活性化させる」とし、09春闘では、 (1) 定期昇給分(相当分を含む) (2) 物価上昇分 (3) 労働分配率低下に着目した賃金改善分――の3点を確保できる水準を追求する考えを示した。

また、低所得者が増加しているなかでの賃金の底上げと生活改善の必要性も強調。非正規労働者の正社員との均等待遇の実現などを掲げて処遇改善を求めるほか、初任給引き上げや企業内最賃の協定締結の運動を強めて、最低賃金の引き上げに連動させる取り組みも強める。

主催者あいさつに立った大黒作治・全労連議長は、「09春闘は、物価高での生活防衛と購買力を向上させるすべての労働者の積極的な賃上げは言うにおよばず、われわれが従来から主張している働くルールの厳守と非正規社員の正社員化などにより、経済を悪循環から好循環に転換させていくことが重要だ」などと訴えた。

なお、総会では09年度の代表幹事に大黒作治氏ら3人を、事務局長には小田川義和・全労連事務局長をそれぞれ選んだ。