「賃上げが最大の景気対策」/連合の09春闘基本構想案

(調査・解析部)

[労使]

連合(高木剛会長)は23日、都内で中央執行委員会を開き、2009春季生活闘争の「基本構想(案)」を確認した。賃金カーブ維持を前提に、物価上昇分に見合うベアを求める内容。高木会長は会見で、「賃金を上げることが最大の景気対策だ」と訴えた。

高木会長は会見で「先般の中央委員会では、来年(の春闘)は賃金カーブの維持と物価上昇による賃金目減り部分の取り返し、それに実質賃金の改善の『三段重ね』だと訴えた。その後も議論を続けているが、基本的な考え方は三段重ねで行こうと提起した。賃金を上げることが最大の景気対策だ」などと述べた。

基本構想案は、食料品などの生活必需品の価格上昇が相次ぐなか、09春闘を「内需を中心とする景気回復と生活防衛の取り組み」と位置づけた。具体的には、定期昇給に相当する賃金カーブを維持することに加え、物価上昇に見合うベアを求めることで、「勤労者の実質生活の維持・確保」の実現をめざす。

また構想案は、賃金水準を重視する方針を明記。産業・企業間で賃金水準の実態を相互比較できるような「指標」を策定して、賃金の絶対水準に重きを置く取り組みを進める考えだ。

一方、闘争体制については、パート労働者など非正規労働者の待遇改善をめざす「パート共闘会議」や中小・零細企業で働く労働者の賃金改善を求める「中小共闘」などの共闘組織の取り組み強化を図るほか、「金属」「化学・製造」「流通・サービス」「インフラ・公益」「交通・運輸」の業種が近い産別組織ごとに「共闘連絡会議(仮称)」を設置。当面は、前述の「指標」を踏まえた取り組み議論や情報交換などを行うとしている。

今後、構想案をたたき台に30日の中央討論集会などで討議を重ね、12月2日の中央委員会で09春闘の「闘争方針」を決定する。