平均で昨年やや下回る7,040円/連合賃上げ要求集計

(調査・解析部)

[労使]

連合が2月29日に発表した2008年春季生活闘争の賃金改定の要求状況によると、平均方式による賃上げを求めている1,284組合(106万人)の平均額は7,040円(2.39%)となり、昨年同時期の実績7,086円、2.44%(1,600組合、107万人)を若干下回った。年間一時金の要求も昨年の5.35カ月に対し、今年は5.33カ月とやや減少した。こうした状況を踏まえ、高木剛会長は1日の決起集会で「満額勝ち取るしかない」と訴えた。

この日発表した要求状況の集計によると、平均賃上げ方式は昨年をやや下回ったものの、30歳や35歳の年齢ポイントで要求する個別要求方式では、ベアのみで要求する方式(A方式)と賃金構造維持分を含めて要求する方式(B方式)とも昨年同時期の実績を上回っている。また、今季闘争の柱にしているパートタイム労働者の処遇改善の取り組みについても、時間給の引き上げなどの要求を設定している組合が、昨年同時期に比べて100組合以上増え、460組合になっている。

この日会見した高木会長は、賃金改善要求について「積極的な取り組みをといったが、中身をみると、昨年並みの要求になった。要因の分析が必要だが、精一杯とることを考えなければならない」と語った。会見の席上、平均賃上げ要求が伸び悩んだ要因として、団塊の世代の退職などによる労務構成の変化や、規模の大きいNTT労組や東京電力労組が賃上げ要求を見送ったことも影響しているのではないかとの見方も出た。

今月11~13日に設定している08闘争の最大のヤマ場に向けて、連合は1日、「要求実現3.1中央総決起集会」を東京・明治公園で開催した(主催者発表で1万5,000人参加)。高木会長は冒頭のあいさつで、賃金改善等の要求状況を踏まえ、「積極的に要求しようと訴えてきたが、極めて自制的だ。残された道は、要求を満額かちとるしかない」と強調。また、今季の闘争で規模間や雇用形態間の格差是正を柱としているだけに、「とくに大手の奮闘を期待する。大手が相場づくりに力を発揮し、中小がそれをフォローし、非正規の処遇改善に力を尽くすという、三両連結の交渉を通じ、労働分配率を上げていこう」などと訴えた。

連合は今年の春季生活闘争スローガンを「非正規も正規も働く仲間賃金改善・働き方改革でワーク・ライフ・バランスを」としており、非正規の処遇改善にも積極的に関与する姿勢を打ち出している。