昨年以上の結果を/「有志共闘」が記者会見

(調査・解析部)

[労使]

内需産業を中心とする産別による「有志共闘」(座長・渡邊和夫フード連合会長)が15日、都内で記者会見を開いた。産別間で連携を取りながら交渉の相乗効果を高め、中小組合の指標となるような相場形成づくりをめざす。3月14日に先行組合の回答状況をとりまとめて公表する。

有志共闘は、自動車や電機などの金属大手の相場に依存するのではなく、流通や食品、サービス関連などの内需産業の労組が集まって業種横断的な相場形成を図り、後に続く中小労組の交渉への波及をめざすための共闘組織。UIゼンセン同盟、JAM、サービス・流通連合、JEC連合、フード連合、紙パ連合の連合傘下6産別で昨春闘からスタートしており、今春闘はセラミックス連合も加わって7産別で共闘を組む。

具体的な取り組みは、各産別が自主交渉・解決できる単組を登録。連合の第一のヤマ場のなかで交渉を展開し、3月14日までに回答を引き出して公表する。ちなみに、昨年は54単組が登録し、34単組の単純平均で賃金改善分1,040円を獲得した。

会見では、今春闘では登録単組数を増やすとともに、回答水準を引き上げたい意向が示された。参加産別の代表からは、「産業を取り巻く環境は非常に厳しいが、社員の生活は可処分所得のマイナスが続いていて、組合員の労働組合への期待は賃金改善だ。登録は昨年の8~10組合以上をめざしたい」(渡邉和夫・フード連合会長)、「内需が低迷しているなか、従来どおりの形で労組が静観したら負の連鎖がますます続いてしまう。何らかの形で連携を組みながら賃金を引き上げていかねばならない。30~40組合あたりを絞り込み、参加したい」(落合清四・UIゼンセン同盟会長)、「月例賃金の改善に力点を置くとともに、個人消費の拡大につながる結果を出していかねばならない」(河野和治・JAM会長)、「内需・中小が非常に疲弊している。大手組合が社会的役割をはたすことが肝要だ」(小柳正治・JEC連合会長)「産業状況は昨年以上に厳しいが、それ以上に厳しいのはそこで働く労働者。悪い時だからこそ、共闘のなかで頑張ることが必要だ」(鈴木辰男・紙パ連合委員長)などの積極的な発言が相次いだ。