派遣社員など非正社員の求人が増加/日高教と全国私教連の調査

(調査・解析部)

[労使]

日本高等学校教職員組合(日高教)と全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は先ごろ、高校や障害児学校高等部を対象に来春卒業する生徒の就職内定状況を調査した結果(10月末月時点)を公表した。内定率は昨年同期より改善したものの、派遣など非正社員への求人が増え、地域間格差も広がっているという。

調査は加盟組合のある28道府県の463校の回答をまとめた。それによると、10月末の就職内定率は71.3%で昨年同期を1.4ポイント上回った。男女別にみても、男子が前年同期比0.7ポイント増の76.3%、女子も2.8ポイント増の63.8%となっている。就職を巡る男女間の格差は若干改善傾向にあるものの、「事務系などの求人の多くが(派遣などの)不安定雇用になっている」(藤田新一・日高教書記次長)ため、依然、10ポイントを超える差がある。

一方、派遣社員やパート・アルバイトなどの非正社員の求人は、4校に1校が「増加した」と回答。ただし、ほとんどの学校が「応募しない」か「なるべく応募しない」対応をしているため、就職内定者全体に占める非正社員の割合は0.7%にとどまっている。とはいえ、「定時制高校なので在校生への求人(アルバイト)が急増している」「障害児の場合、『不安定雇用でもあるだけまし』というのが現状」などといった声も寄せられており、定時制・通信制(6.6%)や障害児学校高等部(20.5%)の比率は高くなる。

さらに、「販売職種では契約・派遣社員の求人が常態化している」「アパレル関係の販売職のほとんどが派遣で、希望する生徒の応募先が見つからない」など、正社員の求人自体がない職種も増えつつあるという。

また、地域間格差も拡大。「北陸・中部・東海」(86.4%)や「中国・四国・九州」(76.0%)、「近畿」(73.2%)、「関東・甲越」(68.5%)の内定率が前年より若干改善しているのに対し、「北海道・東北」(53.7%)は悪化した。この結果、内定率の一番高い「北陸・中部・東海」と最低の「北海道・東北」の間には32.7ポイントもの大差がついている。