非正規で働く理由は「生活維持」のため/全労連の実態調査

(調査・解析部)

[労使]

全労連は13日、「パート・臨時・派遣などではたらくみんなの実態アンケート」調査の結果を公表した。それによれば、非正規労働者の多くは生活のために働いており、正規の仕事がないので非正規を選んでいる。また、女性の約1割が収入のためにダブルワークをしている。

調査はパートや臨時労働者、非常勤、派遣社員などの就労実態等を調べる目的で昨年9、10月に実施。組織内の組合員と未加入の非正規労働者それぞれ1万人に調査票を配布し、約1万1,000人から回答を得た。回答者の86.2%を女性が占めており、組合員と未加入者の割合はほぼ半々だった。

非正規の働き方が生活維持に不可欠

非正規で働く理由(11項目から2つまでを選択)は、男女ともに「生活を維持するため」が圧倒的に多く、組合員、組合未加入者とも男性で約8割、女性も約6割を占めた。他方、「家計にゆとりをもたせるため」と回答した人の割合は女性で約3割、男性は15%程度に過ぎなかった。非正規の働き方が生計を立てるために不可欠になっていることがうかがえる。

今の雇用形態で働く理由(9項目から2つまで選択)については、女性組合員は「正規の仕事がなかった」と「家事・育児・介護等の両立」がともに33%程度、組合未加入者も3割程度でほぼ並んでいる。男性は「正規の仕事がなかった」が約4割で最多だった。

進む非正規の長時間労働化

週の労働時間は、全体的に長時間化が進んでいる。一例として女性組合員の労働時間を前回調査(2002年)と比較してみると、「15時間以上」(前回比18.8ポイント減)や「20時間以上」(同2.5ポイント減)の割合が落ちている一方、「30時間以上」(同3.8ポイント増)、「35時間以上」(6.8ポイント増)、「40時間以上」(5.5ポイント増)の比率が軒並み上がっている。男性は、組合未加入者の2割強が「40時間以上」と答えるなど、長時間労働の傾向がより顕著に表れている。

一方、ダブルワークをする人も少なからず存在しており、女性は組合員の8.6%、組合未加入者の10.3%が、男性は組合員の16.6%、組合未加入者の12.9%が「している」と回答。その理由は男女・組合の別なく「収入」が一番多かった。