3年間継続就労した非正規を正規雇用化/私鉄総連が統一要求へ

(調査・解析部)

[労使]

私鉄総連(12万人)は10日に開いた中央委員会で、秋に実施している労働協約闘争の産別統一要求を決め、4本柱のひとつに入社後3年間継続して就労した非正規労働者の正規雇用化する方針を盛り込んだ。回答が得られない場合、12月にストライキを設定し、交渉を追い込む構えだ。

私鉄総連が昨年、傘下の組合を対象に実施した調査によると、駅務、車掌、運転手などの輸送関係の業務で非正規雇用が拡大しており、04年に比べて非正規雇用が4,500人増え、2万900人にのぼっている。逆にこの間、正規雇用は1万7,000人減少した。あいさつした宮下正美委員長はこうした現状を指摘したうえで、非正規の増加に伴い労働条件が低下し、安全面の確保も脅かされていると主張。非正規雇用に歯止めをかけなければならないとし、「労働条件の向上と安全を担保するために、ありとあらゆる戦術を使い、正規化への道筋をつけていくことは、組合の社会的責務である」と訴えた。

中央委員会の決定を受け各組合は、今月15日に要求書を一斉に提出。大手組合は11月27日まで、中小・ハイタク(ハイヤー、タクシー)の組合などは12月5日までに回答を求め、ストライキ権を設定した上で交渉を追い込み、「検討に値する回答が得られない組合」は、12月9日にストに入るとしている。

産別統一要求の項目としては、非正規雇用の正規化のほか、 (1) 年次有給休暇の初年度付与日数を当面3日以上積み上げる (2) 祝日法改正による5月4日の「みどりの日」を特別休暇に加える (3) 裁判員制度導入に伴い裁判員特別休暇制度を設ける――の計4項目となっている。