集中回答日を前に総決起集会を開催/UIゼンセン同盟

(調査・解析部)

[労使]

民間最大産別のUIゼンセン同盟(落合清四会長、96万人)は7日、都内で07春季労働条件闘争勝利中央総決起集会を開き、昨年を上回る賃上げをめざすことを確認した。落合会長は、「有志共闘、4年めの中小共闘、2年めのパート共闘、いずれもUIゼンセンが基軸となっていかねばならない。全加盟組合が交渉、一斉に回答を引き出す統一賃闘で、腹に落ちる解決を目指すことが相乗効果となり、産別自決の体制も整ってゆく」などと強調した。

賃上げ要求、単純平均で8,077円

UIゼンセン同盟は今季、賃上げの統一要求の平均的な基調(ミニマム課題)を、「賃金体系(カーブ)維持原資プラス組合員一人平均1%以上」、あるいは「カーブ維持原資を含めて7,000円以上」に設定。産別自決をめざし、争議権設定のほか時間外労働拒否も視野に、回答指定日を13~16日に据えて取り組んでいる。

UIゼンセン同盟の集計によると、集中回答を来週に控えた現時点で、月例賃金の賃上げは443組合が要求中。要求内容は、単純平均(382組合の集計)で8,077円(3.21%)、加重平均(同353組合)で 8,366円(3.01%)となっている。パート組合員の賃上げについては、要求している95組合の単純平均で、前年妥結実績(比較可能57組合の数値)より12.75円多い26.97円(2.97%)、加重平均で同5.62円多い24.23円(2.70%)アップを掲げ、取り組んでいる。

こうした情勢を踏まえ、島田尚信書記長は、「昨年とは違い連合参加の産別すべてが賃上げ要求を掲げている。今年こそ取れなくてどうする。何としても昨年を上回る回答を引き出し、可処分所得を少しでも回復しよう」などと強調した。

「何としても有額回答を取りにいく」

UIゼンセン同盟は今年、ミニマム要求を前提に、繊維、化学、流通、フード・サービス、生活・総合産業、地方――の6業種部会ごとの複線型の要求設定を認めている。集会では、各部会を代表してユニチカユニオン、エーザイユニオン、イオン労働組合、すかいらーく労働組合、フランスベッド労働組合、関東化学・印刷・一般労働組合、日本介護クラフトユニオン――が、決意表明を行った。

定期昇給+組合員一人平均1%以上等の賃金改善を掲げ、10企業労使による集団交渉に臨んでいる繊維部会のユニチカユニオンは、「2回の交渉を終えたが、グローバル競争の激化等を理由に、経営側の出方は厳しい。しかし、今年は36協定破棄、スト権設定も辞さぬ構えで、何としても有額回答を取りにいく」などと報告。

賃金体系維持+一人平均賃上げ原資1%(または2,500円)以上等を掲げる化学部会からは、30歳、勤続8年ポイント、総額8,800円を要求するエーザイユニオンが報告し、「過去最高益だが、海外収益と円安効果が大きい。国内は薬価の大幅引下げや新薬開発費の膨らみ等で不透明感も強い。交渉に具体的な進展はみられていないが、昨年を上回る回答をめざす。今年はアルバイトについても、正社員同様の賃上げ率で要求しており、議論を尽くす考えだ」などと述べた。

また、賃金体系維持原資+賃金引上げ原資一人平均1%、2,500円を掲げるフード・サービス部会からは、すかいらーくが代表して報告。「生き残り競争の厳しい外食産業だが、組合員は長時間労働に疲弊している。7,846円の賃上げ要求は、モチベーションのためにも重要。職場の95%を占めるパート・アルバイトについても、組合員範囲の拡大に向けて取り組む」などと述べた。