内需産業中心に「有志共闘」発足/連合加盟6産別、交渉の相乗効果狙う

(調査・解析部)

[労使]

内需産業を中心とする連合傘下の6産別による「有志共闘」(代表・渡邊和夫フード連合会長)が21日に発足した。参加する産別間で連携を取りながら春季交渉における相乗効果を高め、中小組合の指標となるような回答を引き出すことが狙い。6産別合計で約50単組の回答を集計し、3月14~17日の連合の第一のヤマ場に回答水準を発表して、後続の中小労組の交渉に波及させたい意向だ。

共闘に参加するのは、UIゼンセン同盟(88万人)、JAM(38万人)、サービス・流通連合(20万人)、JEC連合(12万人)、フード連合(10万人)、紙パ連合(3万人)の6産別。自動車や電機など、春闘相場の牽引役となる金属大手の動向を「受動的に眺めているのではなく、それぞれの産別が各業界の業績に応じて交渉するのが最大のポイント」(小出幸男・JAM会長)としている。まず、内需産業の切り口で緩やかな共闘としてスタートさせ、今後は枠を拡げ、交渉や回答の相乗効果を高める共闘に発展させたい考えだ。

今春闘での取り組みについては、大手金属労使などの交渉動向に影響されず、自主交渉・解決できる単組を各産別が登録。連合の第一のヤマ場のなかで決着を図り、回答を集約して公表する。記者会見した渡邊代表は、「総体として50単組程で発表できれば、それなりの影響力を持てるのではないか」と話している。