一時金と格差改善の取り組みを/基幹労連の07春闘方針

(調査・解析部)

[労使]

鉄鋼、造船重機、非鉄金属の労組で構成する基幹労連(内藤純朗委員長、24万人)は14日、東京・神宮外苑の日本青年館で中央委員会を開き、2007年の春闘方針を確認した。基幹労連では、2年サイクルで春闘に臨んでおり、中間年にあたる今年は、総合(大手)各社などで賃金交渉は行わない。今春闘では、一時金と業種別(中小)組合の格差改善の取り組みが柱となる。

07年春闘について内藤委員長は、「産業・企業発展のための交渉であり、堂々と要求し、胸を張って交渉し、人への投資として『ない袖を振ってでも』応えてもらわなければならない」と強調。企業規模や業種間の格差改善の必要性を訴えた。

また、今春闘からワーク・ライフ・バランスの議論もスタートさせる。これに関しては、「働き方すべてにかかわることで、比較的長期にわたる取り組みになる」と指摘。「長時間労働の弊害という問題が目の前に横たわっており、まずは労使で話し合うことが大切だ」との考えを示した。

組合員の生活実態調査を報告

中央委員会ではこのほか、組合員を対象に実施した「生活・意識実態調査結果」の概要が報告された。

昨年6月の家計収支の状況をみると、世帯総収入47.4万円で、ここから定期預金を除く総支出41.3万円を差し引くと6.1万円の黒字となっている。2年前の前回調査に比べ、黒字額は増加傾向にあるものの、本人の賃金収入だけでは黒字額は1万円程度にとどまっていることから、基幹労連では「収入が増加した一方で、極力支出を切りつめてきた結果だ」と指摘している。

現在の生活の満足度では、約6割が「満足している」(「十分満足している」と「まあ満足している」の合計)と回答。「満足している」との回答が44.2%だった前回を大きく上回った。

一方、労働時間と仕事上のストレスについては、仕事上のストレスを「感じている」人(「常に感じている」「感じることが多い」「時々感じている」の合計)は全体の8割を占めている。ストレスを感じる理由は、「仕事量が多すぎる」「長い時間神経を集中する」「働く時間が長い」をあげる回答者が多かった。また、ストレスを感じる割合は、時間外労働が長くなるにつれて増加しており、月60時間以上の残業をしている層では「感じる」が過半数を超えていた。基幹労連では「要員不足を背景とした過重労働や長時間労働がストレスをもたらしている」と分析している。

調査は、昨年7~8月に実施し、組合員9,705人の回答を集計したもの。