昨年を500円上回る2,500円の賃金改善要求を決定/JAM中央委員会

(調査・解析部)

[労使]

機械・金属関係の中小労組を中心に構成するJAM(小出幸男会長、組合員数約40万人)は、1月17、18日の両日、静岡県熱海市で中央委員会を開き、今季交渉に臨む「2007春季生活闘争方針」を決定した。賃金カーブを確保したうえで、昨年を500円上回る賃金改善分2,500円以上、また賃金カーブの算定が困難な組合は7,000円以上の賃上げを掲げ、中小の底上げ、大手企業との格差是正を目指す。

「昨年以上の賃上げ獲得を」

賃金改善2,500円以上の要求は、昨年の「2,000円以上」をもとに、消費者物価上昇率のプラス転換、格差是正分等を加味して、500円をプラス。また、一時金は5ヵ月分・半期2.5カ月、最低到達基準は4ヵ月を目標とする。加盟単組は2月20日までに要求を提出。統一回答指定日を3月13、14日とし、加盟する金属労協(IMF・JC)の集中回答日である14日より、できるだけ先行した決着を目指す。あわせて、全組合が3月の月内決着に向けた取り組みを強化するとしている。

挨拶した小出会長は、今年の春闘は「国内景気を活性化するための春闘の構築ということにつきる」と述べ、昨年以上の賃上げを獲得しなければならないと強調。外需型産業では、多くの企業で史上最高の収益をあげているものの、内需型産業は、消費支出の低迷で景気回復は今一歩の状況にあるとし、「適度な賃上げを行って国内景気を回復するしか道はない」と訴えた。また、中小と大手との格差の拡大や人手不足の問題についても触れ、賃金引上げを必ず実現することが労組の最大の課題であるとした。

新しい「緩やか共闘体制」を模索

金属労協の主力産別である基幹労連が隔年交渉へ移行し、交渉リード役のJC共闘の求心力低下は避けられない一方、中小・パート共闘以外での春季闘争での連合における共闘体制の再構築を求める声が強まっている。

こうした情勢を踏まえ、小出会長は、連合内部で内需型産業を中心に緩やかな共闘体制が協議されていることを紹介。JAMに加え、UIゼンセン同盟、フード連合、サービス流通連合、JEC連合等が中心となった新たな共闘体制(仮称:有志共闘)を模索しており、「産別のみにとどまらず連合を機軸とした共闘体制に積極的に参加し、中小労組への波及効果を狙っていきたい」との考えを示した。