パチンコ業界最大手のマルハンで労組結成

(調査・解析部)

[労使]

パチンコ業界最大手で、全国に200店舗を展開する(株)マルハン(本社・京都、東京)で9月28日、ユニオンショップ制の組合「マルハンユニオン」が結成された。10月18日に千葉県浦安市で躍進大会を開催し、正式に明らかにした。UIゼンセン同盟(落合清四会長、83.2万人)が組織化を手がけていたもので、組合員は約5,000人(正社員約3,000人、契約社員・準社員・パート社員約2,000人)。UIゼンセン同盟のパチンコ業界の組織人員は一気に増えて約1万7,000人となった。

大会で挨拶したマルハンユニオンの佐谷友巳委員長は、組合発足の経緯について、「マルハンは2010年までに売上高5兆円、500店舗の達成を目標に掲げている。企業規模が急拡大するなかで、経営のパートナーである労組が必要と考え、発起人とともに準備を進めてきた」などと述べた。

同社会長の韓昌祐氏も出席し、「労組結成は遅きに失した感があるが、マルハンが一流のエンターテイメント企業と認められ、また、パチンコ業界の悪いイメージを払拭してES(従業員満足)、CS(顧客満足)両面で日本一になるには、社員が満足して働ける会社であることが重要と考えている。労組には、現場のファミリー(社員)の声を経営に届けて欲しいし、また今後4年間の目標達成に向け、会社と一体になって頑張ってもらいたい」などと挨拶した。

1957年創立のマルハンは、この5年で160店舗を増やし、全国200店舗まで急拡大。約1兆6,400億円(06年3月期見込み)を売り上げ、従業員数約8,400人(ホール・カウンターアルバイト(CSキャスト)を含むと約1万人)を抱える、業界最大手に成長した。来年、創立50年を迎えるに当たり、マルハンユニオンは、正社員(非管理職)対象者約3,000人、契約社員・準社員・パート社員(パート社員は雇用期間が1年以上で社会保険に加入が要件)の対象者約2,000人のうち、約91%が加入する企業内組合として9月28日に発足した。10月18日に開催した躍進大会では、ユニオンの基本方針のほか、 (1) 組織の充実・強化のための活動 (2) 暫定労働協約の締結――などを柱とする当面の活動方針などを決めた。

市場規模29.3兆円まで成長したパチンコ業界は、約6,500社の企業(ホール数約1万6,000軒)がひしめき、約34万人の雇用労働者が働いているとされている(02年時点)。チェーン化が進み始めた98年に、UIゼンセン同盟が当時業界最大手だった(株)ダイナムで初めてユニオンを発足させ、これまでに約1万2,000人を組織化しているが、今回のマルハンユニオン発足で新たに約5,000人を加え、業界の組織化にさらに拍車がかかりそうだ。