日本マクドナルドで労組結成/200人でスタート

(調査・解析部)

[労使]

連合は29日、ハンバーガーチェーン大手の日本マクドナルドに、労組が結成されたとして記者会見を開いた。会見では、「日本マクドナルドユニオン」の栗原弘昭委員長が、「弊社は過去35年間、社員が一致団結して成長を続けてきたが、近年の売り上げ至上主義、チグハグな経営で長時間労働に陥り、仲間の退職も相次いでいる。現場の窮状に気づいてもらうには、対等な立場で話し合える労組が必要と判断した」などと結成の動機について語った。

「日本マクドナルドユニオン」は15日に結成され、29日、会社側に対して結成通知と要求書を提出した。組合員は店長ら約200人規模での旗揚げとなったが、連合の地方組織である地方連合会を通じて、全国4,000店舗に働く最大約13万人のクルー(パート・アルバイト)に参加を呼びかける勧誘活動もスタートさせた。連合としても、特定企業を対象に組合加入をバックアップするのは初めての試みだ。

結成通知と同時に会社側に手渡した要求書では、 (1) 適時、営業方針などを組合に説明する労使協議会を設置すること (2) 店長の長時間労働の実態を調査し、店長職にある者に時間外・深夜・休日労働手当を支給すること (3) クルーの有給休暇の取得向上のため組合と協議すること――などを求めており、会社側から6月6日までに文書回答を受けることにしている。

日本マクドナルド社は2004年に、現在の原田泳幸・最高経営責任者(CEO)に交代。以降、100円マックや早朝・深夜(24時間)営業の拡大などを進め、売上を伸ばしてきた。しかしこうした中で、昨年12月には、現職店長が東京地裁に、「マクドナルドの店長は労働基準法の管理監督者に当たらない」として未払残業の請求を求めて提訴。これに対し、会社側は答弁書の中で、全面的に争う姿勢を明らかにしていた。