先行組合の交渉結果が後続労組を牽引/JAM

(調査・解析部)

[労使]

連合の中小共闘で中心的役割を担うJAMは06年春闘で、自主交渉・解決による格差是正の実現と波及をめざしている。このため、金属労協への登録組合も「自動車や電機を横にらみせずに単独で交渉ができ、集中回答日(15日)の10時までに回答を引き出せる10単組を選定」(小出幸男会長)。それぞれ企業業績が悪くないことに加え、他産業に比べて低い賃金を改善しないと、人材が確保できなくなることを訴えたという。こうした工夫が奏功し、15日には9組合が1,000円を超える賃金改善を引き出した。唯一、交渉を継続している井関農機は16日から時間外労働拒否を実施し、解決をめざしている。

全体では、15日までに回答を引き出したのは219組合。昨年(同期で230組合)をやや下回るが、平均賃金の回答では、前年同期に比べ615円増の5,105円と5,000円台にのせている。とくに300~499人(平均回答額6,030円)規模の中堅組合の健闘が目立つ。小出会長は、「金属労協にエントリーした単組が先行したことで、それにつながっている中堅メーカーが影響を受けている」などと説明。これから交渉が本格化する中小の交渉に弾みをつけたいとしている。